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まるなげ ブログ 子どもの英語苦手意識を克服!日本語を使わない新指導法とは
子どもの英語苦手意識を克服!日本語を使わない新指導法とは

子どもの英語苦手意識を克服!日本語を使わない新指導法とは

「英語の授業になると急に元気がなくなる」「単語を覚えるのが苦手」「発音が恥ずかしいと言って話そうとしない」。このような子どもの英語に対する苦手意識に悩む教育関係者や保護者の方は多いのではないでしょうか。

実は、日本人が英語を苦手とする傾向は世界的に見ても顕著で、2022年度の「EF EPI英語能力指数」では日本の英語力は111か国中80位という結果が報告されています。しかし、その原因の多くは従来の指導法にあり、適切なアプローチを採用することで、子どもたちの英語に対する苦手意識は十分に克服できるのです。

そこで本記事では、子どもが英語を苦手になる原因を分析し、日本語を使わない画期的な指導法について詳しく解説します。従来の翻訳中心の学習から脱却し、英語を英語のまま理解する力を育てる方法について、具体的な実践例を交えながらご紹介していきます。

なぜ子どもは英語に苦手意識を持つのか?5つの主要因

子どもが英語学習でつまずく原因を理解することは、効果的な指導法を選択する上で極めて重要です。ここでは、日本の教育現場で特に見られる5つの主要な原因について詳しく見ていきましょう。

1. 日本語での説明に頼りすぎる指導の弊害

多くの英語の授業では、新しい単語や文法を教える際に日本語での説明が中心となっています。例えば、「apple」という単語を教える時に「りんご」と訳して教えることが一般的です。しかし、この方法では子どもの頭の中に「apple→りんご→赤い果物」という二段階の思考プロセスが生まれてしまいます。

このような翻訳を介した理解は、実際の会話場面では大きな障害となります。相手の話を聞きながら頭の中で日本語に翻訳し、返答を日本語で考えてから英語に訳すという作業を行っていては、スムーズなコミュニケーションは成立しません。

2. 文法重視の学習による苦手意識の醸成

中学校に入ると本格的な文法学習が始まりますが、be動詞、現在完了形、関係代名詞など、覚えるべきルールの多さに圧倒される子どもが少なくありません。特に、日本語と英語では語順が「主語+目的語+動詞」と「主語+動詞+目的語」という根本的な違いがあるため、この違いを理解し適用することに困難を感じる子どもが多いのです。

文法の細かいルールにとらわれすぎると、「間違えてはいけない」という意識が強くなり、英語を使うことへの恐怖心につながってしまいます。

3. 発音への恥ずかしさと完璧主義

日本人特有の完璧主義的な性質も、英語学習の大きな障害となっています。特に発音に関しては、「ネイティブのように話せないと恥ずかしい」という意識が強く、人前で英語を話すことを避ける傾向があります。

学校の授業でも、クラスメートの前で英語を話す場面では、失敗を恐れて積極的に発言できない子どもが多く見られます。このような経験が積み重なることで、英語に対する苦手意識がさらに強化されてしまうのです。

4. 実践的な使用機会の不足

日本の英語教育では、読み書きが中心となってきた歴史があります。そのため、実際に英語を使ってコミュニケーションを取る機会が圧倒的に不足しています。小学校での英語必修化により状況は改善されつつありますが、依然として「聞く」「話す」の実践的なスキルを身につける機会は限られています。

英語を「テスト科目」としてのみ捉えてしまうと、実際のコミュニケーション場面で使えるスキルが身につかず、結果として「勉強したのに話せない」という挫折感を味わうことになります。

5. 適切な教材と指導法の不足

従来の英語教材の多くは、単語の暗記や文法問題の演習に重点を置いたものが中心でした。しかし、このような教材では子どもの興味を引き続けることが難しく、学習意欲の低下につながりやすいのです。

また、教える側の指導スキルのばらつきも大きな課題です。英語指導に自信を持てない教師も多く、結果として授業の質にムラが生じてしまうケースが見られます。

従来の英語教育の限界と新しいアプローチの必要性

これまでの日本の英語教育を振り返ると、その多くが「翻訳」を前提とした学習方法に依存してきたことがわかります。しかし、この従来型のアプローチには明確な限界があり、新しい視点での教育改革が求められています。

翻訳型学習の構造的な問題点

翻訳を介した英語学習では、常に「英語→日本語→理解」という思考プロセスを経る必要があります。この方法は、文献を読む場合などには有効かもしれませんが、実際のコミュニケーション場面では大きな障害となります。

例えば、"What did you have for breakfast?"という簡単な質問に答える場合でも、翻訳型の思考では「何を・あなたは・持った・朝食のために」と日本語に変換し、「朝食に何を食べましたか」と理解してから、答えを日本語で考え、それを英語に訳すという複雑なプロセスを経ることになります。

グローバル社会で求められる英語力とのギャップ

現代のグローバル社会では、英語を「使える」ことが重要視されています。単に文法的に正しい文章を作れることよりも、相手の言いたいことを理解し、自分の考えを伝えられることが求められているのです。

2020年から小学校での英語教育が必修化され、「話す(やり取り)」「話す(発表)」「聞く」「読む」「書く」の4技能5領域をバランスよく習得することが目標とされています。これは、従来の読み書き中心の教育からの大きな転換を意味しています。

学習時間の問題と効率的な学習法の必要性

日本語を母語とする人が英語を習得するには、英語に近い言語を母語とする人と比較して約6倍の学習時間(約2,760時間)が必要とされています。この膨大な学習時間を効率的に使うためには、より直接的で効果的な学習方法が不可欠です。

従来の翻訳型学習では、この限られた時間の多くが「翻訳作業」に費やされてしまい、実際の英語運用能力の向上には結びつきにくいという問題があります。

日本語を使わない英語指導法の革新性

ここまで見てきた従来型英語教育の問題点を解決する方法として注目されているのが、「日本語を一切使わない英語指導法」です。この革新的なアプローチについて、その理論的背景と実践的な効果を詳しく解説します。

直感的理解を促す指導法の仕組み

日本語を使わない指導法の核心は、英語を英語のまま理解する力を育てることにあります。これは、母語を習得する過程と同じように、言葉と意味を直接結びつける学習方法です。

例えば、「apple」という単語を教える際、日本語の「りんご」を介さずに、実物のりんごやイラスト、絵カードを使って直接的に理解させます。子どもは視覚的な情報と英語の音を直接結びつけることで、翻訳のプロセスを経ずに英語を理解できるようになります。

この方法により、英語を聞いた瞬間に意味が理解でき、思考も英語で行えるようになります。結果として、より自然で流暢な英語コミュニケーションが可能になるのです。

視覚教材と身体動作を活用した学習効果

イラストや絵カード、身振り手振りを活用することで、言語の壁を越えた理解が可能になります。特に子どもは視覚的な情報処理に優れているため、この方法は非常に効果的です。

動作を伴う学習(Total Physical Response)は、言葉と身体感覚を結びつけることで、より深い記憶の定着を促します。例えば、「jump」という単語を教える際に、実際にジャンプしながら学ぶことで、単語の意味が身体感覚として記憶されます。

年齢に応じた段階的アプローチ

幼児から高校生まで、発達段階に応じた指導が可能なのも、この方法の大きな特徴です。幼児期には簡単な単語や基本的な表現から始め、成長に応じて複雑な概念や抽象的な内容へと段階的に進めていきます。

重要なのは、どの段階においても日本語を介さずに英語を理解する基本原則を貫くことです。これにより、年齢を問わず「英語で考える力」を育成することができます。

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実践的な導入方法と期待される成果

日本語を使わない英語指導法を実際の教育現場で導入する際の具体的な方法と、その成果について詳しく見ていきましょう。

教室での具体的な実践例

実際の授業では、以下のような方法で日本語を使わない指導を実現します。

単語の導入:新しい単語を教える際は、実物、写真、イラストを使用します。例えば「chair」を教える時は、実際の椅子を指差したり、椅子の絵を見せたりしながら発音を繰り返します。

文法の理解:文法構造も視覚的に理解させます。例えば現在進行形を教える際は、実際に動作をしながら"I am walking"と言い、止まって"I walked"と過去形との違いを体感させます。

会話練習:ロールプレイやゲームを通じて、実際の場面を想定した練習を行います。買い物の場面、レストランでの注文など、実生活に即した状況設定で自然な英語使用を促します。

指導者のスキル向上と支援体制

この指導法を効果的に実施するためには、教師側のスキル向上も重要です。日本語を使わずに英語を教えるには、豊富な表現力と創造性が求められます。

そのため、指導者向けの研修や養成講座の充実が不可欠です。実践的なトレーニングを通じて、ジェスチャーの使い方、視覚教材の効果的な活用法、生徒の理解度を確認する方法などを身につけることができます。

期待される学習成果と長期的効果

日本語を使わない指導法を継続的に実践することで、以下のような成果が期待できます。

即座の理解力向上:英語を聞いてすぐに理解し、反応できるようになります。翻訳のプロセスを経ないため、コミュニケーションのスピードが格段に向上します。

自然な発音の習得:日本語の音韻体系に引きずられることなく、英語本来の音を習得できます。カタカナ英語からの脱却が可能になります。

英語での思考力:英語で直接考える習慣が身につき、より複雑な内容も英語で処理できるようになります。これは将来的に高度な英語運用能力の基礎となります。

学習意欲の向上:視覚的で体験的な学習は楽しく、子どもたちの興味を引き続けることができます。苦手意識を持つことなく、積極的に英語学習に取り組めるようになります。

家庭でもできる「日本語を使わない」英語学習サポート

教育機関での指導と並行して、家庭でも日本語を使わない英語学習をサポートすることで、より効果的な学習環境を整えることができます。ここでは、保護者の方々が実践できる具体的な方法をご紹介します。

英語環境の自然な構築方法

家庭内で英語に触れる機会を増やすことは、子どもの英語力向上に大きく貢献します。ただし、無理に英語を押し付けるのではなく、自然な形で英語に親しめる環境を作ることが重要です。

視覚的な環境づくり:家の中の物に英語のラベルを貼ることで、日常的に英語に触れる機会を作ります。ただし、日本語を併記せず、絵や写真と英単語のみを使用することがポイントです。

英語メディアの活用:英語のアニメや映画を字幕なしで視聴する時間を設けます。最初は内容が完全に理解できなくても、映像と音声から意味を推測する力が養われます。

英語での簡単な指示:「Stand up」「Sit down」など、簡単な指示を英語で行います。身体を動かしながら英語を理解することで、言葉と動作が直接結びつきます。

楽しく続けるための工夫

英語学習を継続するためには、子どもが楽しいと感じることが不可欠です。以下のような方法で、学習を楽しい活動に変えることができます。

英語ゲームの活用:カードゲームやボードゲームを英語で行います。ゲームのルール説明も身振り手振りと簡単な英語で行い、自然に英語を使う機会を作ります。

英語での料理や工作:簡単な料理や工作を英語の指示で行います。「Cut the paper」「Mix the ingredients」など、動作と言葉を結びつけながら学習できます。

英語日記やお絵かき:言葉で表現するのが難しい場合は、絵を描いて英単語を添える形から始めます。徐々に文章での表現へと発展させていきます。

保護者自身の関わり方

保護者の方が英語に自信がない場合でも、子どもの学習をサポートすることは可能です。むしろ、一緒に学ぶ姿勢を見せることで、子どもの学習意欲を高めることができます。

完璧な英語を話す必要はありません。身振り手振りを交えながら、簡単な英語でコミュニケーションを取ろうとする姿勢そのものが、子どもにとって良いモデルとなります。間違いを恐れずに英語を使う姿を見せることで、子どもも積極的に英語を使うようになります。

よくある質問と誤解への回答

日本語を使わない英語指導法について、教育関係者や保護者の方々からよく寄せられる質問や懸念事項について、詳しくお答えします。

Q1: 日本語で説明しないと、複雑な概念は理解できないのでは?

確かに、抽象的な概念や複雑な文法事項を説明する際に不安を感じる方は多いでしょう。しかし、適切な視覚教材と段階的なアプローチを用いることで、日本語を使わずとも十分な理解が可能です。

例えば、「過去形」という概念を教える際は、時系列を示すタイムラインを使い、実際の動作と組み合わせて理解させます。「Yesterday, I played tennis」と言いながら、カレンダーで昨日を指し、テニスをする動作をすることで、過去の出来事を表現する方法を直感的に理解できます。

Q2: 生徒が全く理解できない場合はどうすればよいですか?

理解が困難な場合は、より簡単な例から始めたり、視覚的な補助を増やしたりすることで対応します。重要なのは、すぐに日本語での説明に頼らないことです。

別の角度からアプローチしたり、既に理解している内容と関連付けたりすることで、徐々に理解を深めていきます。また、クラス内でペアワークやグループワークを活用し、生徒同士で助け合いながら理解を深める機会を作ることも効果的です。

Q3: テスト対策はどのように行えばよいですか?

学校のテストや入試では、依然として文法知識や和訳が求められることがあります。しかし、英語を英語のまま理解する力が身についていれば、これらのテストにも十分対応できます。

英語の本質的な理解ができていれば、必要に応じて日本語での説明を後から補足することは容易です。むしろ、英語を直接理解できる生徒の方が、文法問題や長文読解でも高いパフォーマンスを発揮する傾向があります。

Q4: 教材の準備が大変ではないですか?

確かに、視覚教材の準備には一定の労力が必要です。しかし、一度作成した教材は繰り返し使用でき、また、デジタル技術を活用することで準備の負担を軽減できます。

体系的に設計された教材セットを使用することで、個々の教師が一から準備する必要がなくなります。また、生徒の理解度や興味に応じて、身近な物や状況を教材として活用することも可能です。

まとめ:英語教育の新たな可能性

子どもの英語に対する苦手意識は、従来の翻訳中心の指導法に起因する部分が大きいことが明らかになりました。日本語を使わない英語指導法は、この問題を根本から解決し、子どもたちが英語を自然に、楽しく習得できる環境を提供します。

この指導法の最大の特徴は、英語を英語のまま理解する力を育てることにあります。視覚教材や身体動作を活用し、言葉と意味を直接結びつけることで、翻訳のプロセスを経ずに英語でコミュニケーションができるようになります。

幼児から高校生まで、発達段階に応じた体系的なアプローチにより、どの年齢の子どもも無理なく英語力を向上させることができます。また、指導者にとっても、明確な方法論と豊富な教材により、自信を持って指導に当たることが可能になります。

グローバル化が進む現代において、真に「使える」英語力を身につけることは、子どもたちの将来にとって大きな財産となります。日本語を使わない英語指導法は、その実現への確かな道筋を示しています。

教育機関の皆様には、ぜひこの革新的な指導法を検討いただき、子どもたちの英語教育に新たな可能性を開いていただければ幸いです。

詳しい資料は以下よりご確認いただけます。

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