店舗改装で費用を抑える方法｜売上10倍を実現した5つの工夫

「改装したいけど、費用が心配...」「見積もりを見て諦めそう...」そんな店舗オーナー様の悩みを解決します。実は、店舗改装費用は工夫次第で大幅に削減できるのです。しかも、費用を抑えながら売上を10倍に伸ばした実例もあります。

一般的に、総務省の統計によると、飲食店の廃業理由の約40%が「資金繰りの悪化」です。その背景には、改装費用の負担が重くのしかかっているケースが少なくありません。

そこで本記事では、店舗改装で費用を抑えつつ、売上向上も実現する5つの工夫を詳しく解説します。建築業界の裏事情から、具体的な削減テクニックまで、すぐに実践できる情報をお届けします。

なぜ店舗改装費用は高くなるのか？建築業界の「利益構造」の真実

店舗改装費用が高額になる最大の理由は、建築業界特有の「多重下請け構造」にあります。発注者から元請け、下請け、孫請けと仕事が流れる中で、各段階で利益が上乗せされていきます。

一般的な建築業界の利益構造

通常の建築会社では、以下のような形で利益が発生します。

• 材料費への利益上乗せ：仕入れ値の20〜30%程度
• 施工費への管理費：工事費の10〜20%程度
• 設計料：工事費の5〜10%程度

これらが積み重なると、実際の工事原価の1.5〜2倍の金額になることも珍しくありません。さらに、各業者間での中間マージンも発生するため、最終的な請求額は膨れ上がってしまうのです。

透明性の欠如が生む無駄な出費

多くの場合、見積書には「一式」という表記が多用され、内訳が不明瞭です。これにより、本当に必要な費用なのか、余分な利益が含まれているのかが判断できません。

しかし、この業界慣習に疑問を持ち、「施工・材料では儲けない」という新しいビジネスモデルを採用する会社も出てきています。設計・戦略費のみを報酬とし、材料費・施工費には利益を上乗せしない透明な価格体系により、従来の半額近くまで費用を抑えることも可能になっているのです。

店舗改装費用の相場と業種別の特徴

店舗改装費用は業種によって大きく異なります。まずは相場を把握し、自店舗の適正価格を知ることが重要です。

業種別の改装費用相場（坪単価）

業種	坪単価相場	主な費用要因
飲食店	30〜50万円	厨房設備、排気設備、給排水工事
美容室・サロン	20〜50万円	シャンプー台、給排水工事、照明設備
小売店・アパレル	10〜40万円	什器、照明、内装デザイン
オフィス	10〜15万円	間仕切り、電気配線、空調設備

ただし、これらはあくまで一般的な相場です。居抜き物件の活用や、工夫次第で大幅にコストダウンすることが可能です。

費用が高くなりやすいポイント

特に以下の工事は費用が高額になりやすいため、注意が必要です。

• 給排水工事：配管の移動や新設が必要な場合
• 電気工事：動力電源の引き込みや容量アップ
• 空調工事：業務用エアコンの新設や交換
• 排気工事：飲食店の排気ダクト設置

工夫1：居抜き物件の賢い活用で設備費を大幅削減

店舗改装費用を最も効果的に削減する方法は、居抜き物件の活用です。前テナントの設備をそのまま利用できれば、設備投資を大幅に削減できます。

居抜き物件とスケルトン物件の費用比較

15〜20坪の飲食店を例に、具体的な費用差を見てみましょう。

工事項目	スケルトン物件	居抜き物件	削減額
電気工事	80〜100万円	20万円	60〜80万円
ガス工事	35〜40万円	10万円前後	25〜30万円
水道工事	60〜120万円	10〜15万円	50〜105万円
空調工事	80〜120万円	12万円	68〜108万円
給排気工事	80〜100万円	0円	80〜100万円
合計	335〜480万円	52〜57万円	283〜423万円

居抜き物件選びの成功ポイント

ただし、居抜き物件にも注意点があります。前テナントと同じ業態では、その立地での経営が困難な可能性があります。そこで、以下のような選び方がおすすめです。

• 設備は活用、業態は変更：イタリアンの居抜きを居酒屋に、など
• 設備の状態を必ず確認：古すぎる設備は逆に費用がかかる場合も
• 立地の特性を分析：なぜ前テナントが撤退したのかを調査

工夫2：相見積もりと業者選定で適正価格を実現

店舗改装において、業者選びは費用を大きく左右する重要なポイントです。1社だけの見積もりでは、その価格が適正かどうか判断できません。

効果的な相見積もりの取り方

相見積もりを取る際は、以下の点に注意しましょう。

• 同一条件で依頼：仕様や工期を統一して比較
• 3〜5社程度に依頼：多すぎると対応が大変に
• 内訳を詳細に確認：「一式」表記は避けてもらう
• アフターサービスも比較：保証内容や期間を確認

一括見積もりサービスの活用

最近では、複数の業者に一括で見積もりを依頼できるサービスも増えています。これらのサービスを利用すると：

• 業者間の競争原理が働き、価格が適正化される
• 自分で複数社を探す手間が省ける
• 実績のある業者を紹介してもらえる

ただし、価格だけで決めるのは危険です。施工品質やアフターサービスも含めて総合的に判断することが重要です。

工夫3：DIYと中古品活用で材料費・設備費を削減

すべてを業者に任せるのではなく、自分でできる部分はDIYで、設備は中古品を活用することで、さらなるコスト削減が可能です。

DIYで可能な作業と注意点

DIYに適した作業：

• 壁の塗装やクロス貼り
• 棚の設置や什器の組み立て
• 簡単な装飾や看板の取り付け

プロに任せるべき作業：

• 電気・ガス・水道などの設備工事（資格が必要）
• 構造に関わる工事
• 防火・防災に関わる工事

厚生労働省の労働安全衛生法では、一定の作業には資格が必要と定められています。安全性を最優先に、無理のない範囲でDIYを検討しましょう。

中古品・アウトレット品の賢い活用

新品にこだわらなければ、以下のような方法で大幅なコスト削減が可能です。

• 厨房機器：リース返却品や展示品を活用（新品の30〜50%程度）
• 家具・什器：オフィス移転などの中古品を購入
• 照明器具：アウトレット品や型落ち品を選択

ただし、中古品を選ぶ際は必ず動作確認を行い、保証期間も確認しておきましょう。

工夫4：仕様変更と優先順位付けで無駄を省く

理想を追求しすぎると、どうしても費用は膨らみます。本当に必要な部分と、妥協できる部分を明確に分けることが重要です。

効果的な仕様変更の例

• 床材：無垢材→複合フローリングで50%削減
• 壁仕上げ：タイル→クロスで70%削減
• 照明：デザイナーズ照明→汎用品で60%削減

費用対効果を考えた優先順位付け

限られた予算を効果的に使うため、以下の観点で優先順位を付けましょう。

1. お客様の目に触れる部分：外観、エントランス、客席まわり
2. 売上に直結する設備：厨房機器、POSシステムなど
3. 安全・衛生に関わる部分：防火設備、換気設備など
4. スタッフの作業効率に関わる部分：動線、収納など

バックヤードなど、お客様の目に触れない部分は最小限の投資に留めることで、メリハリのある予算配分が可能になります。

工夫5：補助金・助成金の活用で実質負担を軽減

意外と知られていませんが、店舗改装には様々な補助金・助成金が活用できます。これらを上手に活用すれば、実質的な負担を大幅に軽減できます。

主な補助金・助成金制度

制度名	対象	補助率・上限額
小規模事業者持続化補助金	従業員20人以下（商業・サービス業は5人以下）	補助率2/3、上限50万円
事業再構築補助金	売上減少など一定要件を満たす中小企業	補助率により異なる
業務改善助成金	最低賃金引上げ＋設備投資を行う事業者	賃上げ額により異なる

申請時の注意点

補助金・助成金を活用する際は、以下の点に注意が必要です。

• 申請期限を確認：多くは年度ごとに募集期間が設定
• 採択は確実ではない：不採択の可能性も考慮した資金計画を
• 後払いが基本：先に自己資金での支払いが必要
• 書類作成に時間がかかる：余裕を持った準備を

最新の情報は、中小企業庁のウェブサイトで確認できます。

売上10倍を実現する「売れる設計」の考え方

ここまで費用削減の方法を解説してきましたが、最も重要なのは「改装によって売上が上がること」です。費用を抑えても、売上が伸びなければ意味がありません。

売れる店舗設計の5つのポイント

1. 導線設計：お客様とスタッフの動線を最適化
2. 視認性向上：外から店内の様子がわかる設計
3. 差別化要素：競合にない独自の空間演出
4. 回転率向上：席配置や厨房設計の最適化
5. SNS映え：写真を撮りたくなる空間づくり

広告費ゼロでも集客できる仕組みづくり

改装を機に、以下のような集客の仕組みを構築することで、広告費をかけずに売上を伸ばすことが可能です。

• 口コミが生まれる仕掛け：印象的な内装やサービス
• リピーターを増やす工夫：居心地の良い空間設計
• 地域密着の強み：地元客が通いやすい雰囲気づくり

まとめ：賢い改装で費用削減と売上向上を両立させる

店舗改装の費用は、工夫次第で大幅に削減できます。重要なポイントをまとめると：

1. 建築業界の利益構造を理解し、透明性の高い業者を選ぶ
2. 居抜き物件を賢く活用して設備投資を削減
3. 相見積もりは必須、適正価格を見極める
4. DIYと中古品活用で材料費・設備費を削減
5. 補助金・助成金を最大限活用する

そして何より、単に費用を削減するだけでなく、「売れる店舗」を作ることが最も重要です。適切な投資と工夫により、費用を抑えながら売上10倍も夢ではありません。

店舗改装は大きな投資です。しかし、正しい知識と戦略があれば、その投資を確実に回収し、さらなる成長へとつなげることができます。本記事で紹介した5つの工夫を参考に、ぜひ理想の店舗改装を実現してください。

詳しい資料は以下よりご確認いただけます。