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外壁塗装の剥がれは雨漏りの前兆?原因別に見る緊急度と補修タイミング
外壁塗装の剥がれを発見したとき、「これは雨漏りにつながるのでは?」という不安を感じる方も多いのではないでしょうか。実は、その直感は正しく、外壁塗装のはがれを放置すると、雨漏りを引き起こしてしまうこともある のです。
特に名古屋市近郊では、夏の強い日差しと台風シーズンの豪雨、そして冬の寒暖差という厳しい気候条件により、外壁塗装への負担が大きくなっています。一般的に、外壁塗装の剥がれを放置してしまうと、雨漏りにつながる可能性もあるので危険 であり、早期の対応が求められます。
そこで本記事では、外壁塗装の剥がれと雨漏りの関係性、剥がれの原因別にみる緊急度の判断方法、そして適切な補修タイミングについて詳しく解説していきます。
外壁塗装の剥がれが雨漏りにつながるメカニズム
外壁塗装の剥がれと雨漏りの関係を理解するには、まず外壁塗装の役割を知ることが重要です。
塗装が果たす防水機能とは
外壁塗装の第一の目的は、塗装の内側にある外壁と、さらにその内部にある建物自体を守ること です。塗装は、いわば建物を守る「防水の鎧」のような存在です。
健全な塗膜があることで、雨水は表面で弾かれ、外壁材や建物内部への浸入を防いでいます。しかし、外壁塗装が剥がれた部分は、防水されていない状態なので、外壁材や建物の内側に雨水などが侵入してきて雨漏りが発生したり、外壁材を腐食させる原因になりえます 。
剥がれから雨漏りに至るまでの過程
塗装が剥がれてしまうと外壁が守られず、外壁材は、屋外の紫外線や雨水、強風や汚れで内部の防水シートまでどんどん劣化し、ひいては、家そのものにまでダメージが及んでしまいます 。
雨漏りが発生するまでの過程は以下のとおりです。
- 塗膜の剥がれにより外壁材が露出
- 雨水が外壁材に直接浸透
- 外壁材の劣化が進行
- 防水シートまで水が到達
- 建物内部への雨水浸入(雨漏り)
住まいに浸入した雨水は、次第に奥へ奥へと入り込み、雨漏りを発生させ、躯体を腐食していきます。そして、最悪の場合、住まいの寿命が大きく縮んでしまうことも あるのです。
外壁塗装が剥がれる主な原因と見分け方
外壁塗装の剥がれには大きく分けて2つの原因があります。それぞれの特徴を理解することで、適切な対処方法を判断できます。
施工不良による剥がれの特徴
塗装後すぐ、おおよそ1年以内ではがれが生じた場合は、施工不良が原因の可能性があります 。一般的には、新築または前回の塗装から1〜3年以内に剥がれが発生しているかどうかがポイント となります。
施工不良による剥がれの主な原因は以下のとおりです。
- 洗浄/下地処理の不足
- 洗浄後の乾燥不足
- 下地にあった塗料(特に下塗材)を選定できていない
- 塗料メーカー規定の塗布量を守っていない
外壁塗装の剥がれは、典型的な施工不良のサイン であり、これらの不適切な施工により、塗膜(塗料の膜)と外壁の密着不足に繋がった結果、剥がれに繋がります 。
経年劣化による剥がれの特徴
外壁の剥がれで、いちばん多いのは経年劣化によるもの です。前回の塗装から5年以上経過しているか、塗料の耐用年数に近づいているかどうかが判断の目安 となります。
経年劣化による剥がれのメカニズムは以下のとおりです。
- 紫外線:紫外線が塗膜を分解し、ひび割れやチョーキングが発生 → 密着力低下で剥がれに繋がる
- 気温変化:昼夜の寒暖差で塗膜が膨張・収縮→ひび割れが進行し、剥がれに繋がる
一般的に、外壁塗装をしてから10年以上経過している場合は、経年劣化による塗膜の劣化が原因の可能性が高い です。
環境要因による剥がれの特徴
外壁の剥がれは、環境要因でも起きることがあります。塩害や湿気のほか、凍害でも剥がれが引き起こされることがあります 。
環境要因による剥がれの例:
- 塩害:海風の塩分が外壁に付着し、塩の結晶となって塗膜がひび割れ→外壁が剥がれる
- 湿気:外壁に水分が染み込み、塗膜の密着力が低下→剥がれに繋がる
- 凍害:塗膜に染み込んだ水分が凍結して膨張→塗膜が剥がれる
緊急度別にみる補修タイミングの判断基準
外壁塗装の剥がれを発見したとき、どの程度の緊急度で対応すべきかを判断することが重要です。ここでは、症状別に緊急度を解説します。
緊急度【高】すぐに対処が必要なケース
以下のような症状が見られる場合は、早急な対処が必要です。
1. 広範囲にわたる剥がれ
塗装剥がれの範囲が広くなると、外壁材が雨水の侵入を許すようになります 。剥がれが外壁の10%以上に及ぶ場合は、雨漏りのリスクが高まります。
2. 外壁材の露出が確認できる
塗膜が完全に剥がれて外壁材が直接見える状態は、防水機能が失われているサインです。
3. 室内に雨漏りの兆候がある
構造体にまで雨水が浸透してしまうと天井や壁から雨漏りするようになり、発見された頃にはすでに劣化症状がかなり進行してしまっていることがあります 。
緊急度【中】計画的な補修が望ましいケース
以下の状況では、3~6ヶ月以内の補修を検討しましょう。
1. 部分的な剥がれが複数箇所にある
剥がれが一度始まった箇所を放置してしまうと、そこから雨水などが外壁内に浸水し、外壁の塗装をどんどん剥がし、剥がれている面積をさらに広げてしまいます。
2. 剥がれ周辺にひび割れがある
剥がれの他にひび割れが発生していれば、一緒に補修しておくことです。なぜなら、ひび割れに後から塗る塗料が浸透してしまうと、ひび割れが進行してしまう可能性があるから です。
緊急度【低】経過観察が可能なケース
以下の場合は、定期的な観察をしながら補修時期を検討できます。
1. ごく小さな剥がれ(数センチ程度)
一部の塗膜が浮き上がっている場合や、数センチ程度の剥がれであれば、適切な補修材を使って部分修繕が可能 です。
2. 施工後1年未満の剥がれ
施工不良の可能性が高いため、まずは施工業者に連絡して保証対応を確認しましょう。
適切な補修方法と費用の目安
外壁塗装の剥がれに対する補修方法は、症状の程度によって異なります。ここでは、それぞれの方法と費用について解説します。
部分補修で対応できる場合
剥がれが小規模であれば、部分補修で対応できる場合もあります 。部分補修の方法は以下のとおりです。
- 剥がれた塗膜の除去
- 下地処理(ケレン作業)
- プライマー(下塗り材)の塗布
- 上塗り塗料での仕上げ
費用の目安:パテやコーキングによる補修は1箇所あたり1,000〜2,000円ほど です。
全面塗装が必要な場合
広範囲にわたる剥がれや、劣化が進んでいる場合は、早めに再塗装を検討する必要があります 。全面塗装の工程は以下のとおりです。
- 足場の設置
- 高圧洗浄
- 下地処理・補修
- 養生
- 下塗り・中塗り・上塗り(3回塗り)
- 付帯部塗装
- 足場の解体
費用の目安:30坪2階建て規模の建物の場合で、90〜140万円程度が目安 となります。一般的な戸建て住宅の場合、80万円〜150万円程度が目安 です。
DIYでの応急処置について
軽度の外壁塗装剥がれであればDIYで応急処置が可能で、「外壁洗浄→補修作業→下地処理→外壁塗装」の順番で進めていきます 。
ただし、DIYでの補修はあくまで応急処置です。DIYでの塗装も可能ですが、応急処置にしかならないことはおぼえておきましょう 。根本的な解決には、専門業者による適切な施工が必要です。
雨漏りを防ぐための予防策
外壁塗装の剥がれによる雨漏りを防ぐためには、日頃からの予防が大切です。
定期的な外壁点検のポイント
年に2回程度、以下の点を確認しましょう。
- 塗膜の浮きや剥がれがないか
- ひび割れ(クラック)の有無
- チョーキング現象(手で触ると粉がつく状態)の確認
- コーキング材の劣化状況
- 雨だれや汚れの付着状況
他にも経年劣化には、剥がれ以外にもひび割れ(クラック)や塗膜剥離、チョーキング現象、露筋といった症状があり、このような症状が見られる場合は外壁全体のメンテナンスを検討すべき です。
適切なメンテナンス周期
一般的に、メンテナンスやリフォームの時期は10〜15年が目安 となります。ただし、使用している塗料や環境条件により異なります。
- アクリル塗料:3~5年
- ウレタン塗料:5~7年
- シリコン塗料:7~10年
- フッ素塗料:15年以上
信頼できる業者選びのコツ
剥がれを防ぐための主な対策 として、以下の点を重視した業者選びが重要です。
1. 下地処理を重視する業者
施工前の下地処理が非常に重要です。しっかりとした下地処理を行うことで、塗膜の密着性が格段に向上します 。
2. 適切な塗料選定ができる業者
高品質な塗料の選択 も重要です。外壁材との相性や環境条件を考慮した塗料選定が必要です。
3. 施工実績が豊富な業者
地域での施工実績や、施工事例の公開状況を確認しましょう。
まとめ:剥がれを見つけたら早めの行動を
外壁塗装の剥がれは、単なる美観の問題ではありません。外壁塗装の剥がれを放置してしまうと、雨漏りにつながる可能性もあるので危険 であり、建物の寿命にも大きく影響します。
特に重要なのは、剥がれの原因を正しく見極め、適切なタイミングで補修を行うことです。施工不良による剥がれなのか、経年劣化によるものなのかを判断し、それぞれに応じた対処を行いましょう。
また、劣化のサインを見逃さず、信頼できる施工業者のアドバイスを参考にすることが大切 です。定期的な点検と適切なメンテナンスにより、大切な住まいを長く守ることができます。
外壁塗装の剥がれでお悩みの方、雨漏りが心配な方は、まずは専門業者による診断を受けることをおすすめします。早期発見・早期対処が、結果的に費用を抑え、建物を長持ちさせることにつながります。
詳しい資料は以下よりご確認いただけます。

