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社員インタビューの書き方で差がつく!就活生の心を掴む7つの仕掛けとは
採用サイトに掲載する社員インタビュー記事。その成否が、エントリー数を大きく左右することをご存知でしょうか。
ただ社員に話を聞いて文章にまとめるだけでは、就活生の心を動かすことはできません。実は、「働きたい」と思われる社員インタビューには、プロが実践している"仕掛け"があるのです。
そこで本記事では、多くの採用サイトで成果を上げている社員インタビューの書き方について、7つの具体的な仕掛けを解説します。就活生の共感を呼び、信頼を築き、憧れを抱かせる記事作成のコツを、すぐに実践できる形でお伝えしていきます。
なぜ社員インタビューの書き方が採用成功を左右するのか
社員インタビューは、単なる情報提供コンテンツではありません。求職者にとって、実際に働く社員の生の声を通じて企業を理解できる貴重な情報源となっています。
採用サイトで社員インタビューが果たす3つの役割
まず、企業理解の促進です。社員インタビューを掲載することで、企業理解が進み、その企業・団体で働く自分の姿がイメージできた状態で入社してもらえれば、将来の活躍も見込めるでしょう。
次に、入社後のミスマッチ防止があります。職場の雰囲気や人間関係は、離職の引き金になりえます。厚生労働省によると、「定年・契約期間の満了」や「その他の理由」を除いた退職理由としては、男性が「給料等収入が少なかった」で9.4%、女性は「職場の人間関係が好ましくなかった」で13.3%と、もっとも高くなっています。
そして、既存社員のモチベーション向上という効果もあります。インタビュー対象者に選ばれ採用サイトに掲載されることは、社員のモチベーションアップにつながります。さらに、社員インタビューは社内で共有することも多いため、他部署の仕事や人を知る機会となり、求職者以外にもキャリア・働き方のモデルケースを示せます。
就活生が社員インタビューに求めているもの
現代の就活生は、企業の公式情報だけでなく、よりリアルな職場の様子を知りたがっています。特に、求職者は、社員の本音や企業サイトには載っていない情報を知るためにインタビューを読みます。
また、単に仕事内容を知るだけでなく、そこで働く人々の価値観や成長の軌跡、働きがいなど、感情に訴える情報を重視する傾向があります。これらのニーズに応えられる記事こそが、応募意欲を高める鍵となるのです。
仕掛け①:ターゲットを明確にする「読者設定の技術」
効果的な社員インタビュー記事を書くためには、まず「誰に読んでもらいたいか」を明確にすることが重要です。
ペルソナ設定で記事の方向性を定める
「誰に」読んでほしいのかの整理です。採用であれば、具体的な候補者のペルソナが浮かんでいると良いと思います。 具体的には以下の要素を検討します。
- どこの部署に属する人か
- どんなスキルを持った人か
- どのレイヤーにいる人か
- 採用においてどこのフェーズにいる人か
この部分は正しく捉えていくことが大切なので、必要に応じて採用や面談を担当するメンバーに協力いただき、集めていくことがオススメです。
求職者の検索意図を理解する
面接に出ている人にヒアリングする場合、面接で「どんなことを聞かれるか」も合わせて聞けると良いです。よくある質問を記事内でカバーすることで、面談のお話の濃度が上がることも期待できます
このように、ターゲットとなる読者が何を知りたがっているかを事前に把握し、その疑問や不安に答える内容を盛り込むことで、読者にとって価値のある記事になります。
仕掛け②:記事の目的を整理する「ゴール設定の法則」
社員インタビュー記事を書く前に、その記事で何を達成したいのかを明確にすることが重要です。
記事で訴求したい内容を明確化する
記事の目的、すなわち「これは何を訴求するための記事なのか」ということです。 例えば:
- 就活中の方に「成長できる環境がある会社だ」と知ってもらう
- 優秀なエンジニアが多いことを伝える
- 会社の雰囲気を「制度」を通して伝える
- VMVのリニューアルプロジェクトを通して、経営層の思いを知ってもらう
目的がぱっと言語化できずに迷った時は「カテゴリ」で整理しても良いと思います。例えば、「メンバー」「組織」「事業・サービス」「カルチャー」の側面など。自社をどんな切り口で、魅力的に訴求していくをかを整理します。
読了後の理想的な状態を描く
ゴールを決める=「読了後、どうなってい欲しいか?」を想像することです。 具体的な例:
- 新卒で挑戦できる環境だと理解し、応募したくなる
- 優秀なエンジニアと一緒に働くことがイメージできて、魅力を感じる
- 雰囲気を知り「自分には合いそうだ」を感じてもらう
- VMVの根底にある思いを知り、詳しく話を聞いてみたと思ってもらう
ゴールを考えるコツは、実際に読んだ人の「状態(もしくは、次のアクション)」をイメージしてみること。これが記事を書くうえでの北極星になるので、とても大事だな〜と思っています。
仕掛け③:事前準備で深い回答を引き出す「ヒアリングシート活用術」
インタビューの質を高めるためには、事前準備が欠かせません。特に、ヒアリングシートの活用は効果的です。
ヒアリングシートで準備する内容
私はインタビューを受ける社員の皆さんに向けて、インタビュー日の2週間前ぐらいに「事前ヒアリングシート」をお渡ししています。
ヒアリングシートに含める項目の例:
- 過去
- 入社前の経歴(新卒の場合は、学生時代になにをしていたか)
- 入社理由、決め手になったエピソード
- 現在
- 仕事で楽しいこと
- いま取り組んでいる課題
- 課題を乗り越えるためにトライしていること
- チームはどんな人がいるか
- 組織はどんな雰囲気か
- 未来
- 今後のビジョン(自社で成し遂げたい事/個人の夢)
事前準備がもたらす2つのメリット
ひとつは、記事を書く自分自身のため。事前にインタビューを受けてくれる人についてインプットをすることで「このエピソード深く聞けるといいな〜」という準備ができるので、インタビュー時間がぎゅぎゅっと濃厚なものになります。
ふたつめは、インタビュイーの方のために。経営陣の方はインタビューやお話に慣れてるということもあると思いますが、社員の方によっては「実はインタビューがはじめてで、ちょっと不安……」という方もいますよね。
事前に質問内容を共有することで、インタビュー対象者も心の準備ができ、より深い内容の回答を得られる可能性が高まります。
仕掛け④:インタビュー中に「パンチライン」を見つける技術
インタビューの成功は、相手の本音や魅力的なエピソードをいかに引き出すかにかかっています。
心に響く言葉を見逃さない方法
これは原稿化にあたり、私がインタビュー中に超意識している「パンチライン」を見つけることです
「パンチラインってなんやねん」という話ですが、「決め台詞」みたいなイメージをもってもらうと良いかもしれません。テレビ番組なら太字ででっかいテロップが付くイメージ……!
具体的な実践方法:
- 聞き手として純粋に「ハッ」とした瞬間を逃さない
- 「それすごい面白い!」と感じた部分をメモに残す
- 「候補者だったら、そのエピソード聞けたらぐっとくるな」という部分を太字にする
なぜ即座が良いのか。それは、文字に起こしてからだと全ての文字が平坦になってしまう気がするんですよね……。この「パンチライン(気持ちがこもっているワード)」はインタビュイーの方の肉声に宿るもの、声色のサーモグラフィーが赤くなる部分だと思っています。
具体的なエピソードを引き出すコツ
当日のインタビューで意識すること2つ目です。具体とは「固有名詞」や「定量的な情報」のことです。
抽象的な表現を具体的に変える例:
- 抽象:「先輩に教えてもらったんです」
具体:「△△部で、3年目の◯◯さんにOJTとしてついてもらい、営業について教えてもらったんです」 - 抽象:「プロジェクトリーダーを担当しました」
具体:「◯◯企画のプロジェクトのリーダーを3年ほど担当しました。チームメンバーは4~5人ぐらいで取り組んでいましたね」
なぜなら、読み手の会社や業務に関する解像度がぐんと上がるから。抽象的な話が多いと「それって他社でも言えるなあ」と魅力や特徴が見えづらくなることも。具体的であるほど、その会社"ならでは"の情報を届けることができて、そこで働く自分をイメージして(「自分ゴト」として捉えて)もらえると感じています。
仕掛け⑤:共感を生む構成術「ストーリーテリングの型」
読者の心を動かす社員インタビュー記事には、効果的な構成の型があります。単に時系列で話を並べるのではなく、読者の感情に訴えかける流れを作ることが重要です。
読者を引き込む記事構成の基本型
質問内容は、時系列順にすると過去・現在・未来の大きく3つに分けられます。インタビューにおいてインタビュイーが回答しやすい質問は、「現在」のこと。最初は現在に関する質問から聞くようにしましょう。
効果的な記事構成の流れ:
- 現在の仕事内容や役割:読者がイメージしやすい今の姿から入る
- 入社のきっかけや経緯:なぜこの会社を選んだのか、共感を呼ぶ背景
- 成長の軌跡や転機:困難を乗り越えたエピソードで感動を生む
- 今後のビジョン:将来への期待感を共有する
- 求職者へのメッセージ:読者の背中を押す言葉で締める
インタビュイーとしても、現在のことを語ることで過去について思い出したり、未来についてのイメージが高まったりします。現在に関する質問のあとに過去や未来に関する質問をすることで、明確な回答を得やすくなるのです。
感情を動かす質問の組み立て方
通常、社員インタビューで従業員が自ら話してくれる話題はポジティブなものが多く、「何かを成し得た」「成果を得られた」「こんな良いメリットがあった」という話が綴られます。しかしそれだけではなく、成功エピソードの裏にある本音や悩みを聞き出すことを狙いましょう。
効果的な質問の例:
- 「入社後、一番苦労したことは何でしたか?」
- 「その困難をどのように乗り越えましたか?」
- 「今振り返って、その経験から学んだことは?」
このように、成功体験だけでなく、挫折や困難、そしてそれを乗り越えた経験を聞くことで、より人間味のある、共感を呼ぶストーリーが生まれます。
仕掛け⑥:信頼を築く表現技法「リアリティの演出」
就活生は、きれいごとだけの情報には敏感です。信頼される記事を作るには、リアルな職場の姿を適切に伝える技術が必要です。
ポジティブとネガティブのバランス
きれいごとだけではない情報を掲載することで、信頼性を高めることができます。 ただし、ネガティブな情報の扱い方には注意が必要です。
信頼を築く情報開示の例:
- 「正直、最初の3ヶ月は覚えることが多くて大変でした。でも、先輩のサポートのおかげで…」
- 「残業が全くないわけではありません。繁忙期には月20時間程度ありますが、その分しっかり代休を取れる制度があって…」
- 「新しいことに挑戦する分、失敗することもあります。ただ、失敗を次に活かす文化があるので…」
数字と事実で説得力を高める
一般的に、具体的な数字や事実を含む記事は信頼性が高まります。ただし、公開可能な情報の範囲内で工夫することが大切です。
説得力を高める表現の例:
- 「入社2年目で、5人のチームリーダーを任されました」
- 「月に1回は部署全体での勉強会があり、最新技術をキャッチアップしています」
- 「育休取得率は男性も含めて90%を超えています」
もちろん、売上や利用者数など会社によって、オープンNGなデータもあると思いますので、そこは注意しつつ、オープンにできることは具体的にしていくのがオススメです。
仕掛け⑦:応募につなげる「行動喚起の仕組み」
せっかく良い記事を書いても、読者が次の行動を起こさなければ意味がありません。自然な流れで応募や問い合わせにつなげる工夫が必要です。
記事の締めくくりで心を動かす
採用サイトの社員インタビューの最後に、上のような応募フォームを設置するのが基本です。 しかし、単にフォームを設置するだけでは効果は限定的です。
効果的な締めくくりの要素:
- 共感の確認:「もし、私の話に少しでも共感していただけたなら…」
- 具体的な次のステップ:「まずはカジュアルな面談から始めませんか」
- 心理的ハードルを下げる:「エントリーシートは簡単な内容で大丈夫です」
- 期待感の演出:「一緒に働ける日を楽しみにしています」
間接的な効果も見逃さない
「社員インタビュー経由で応募が来たことがない。だから作っても効果が薄い」という声を耳にします。これは間違いです。社員インタビューの目的(成果)は必ずしも「応募」とは限りません。
社員インタビューがもたらす間接的効果:
- 事前に読んで面接に臨む候補者が増え応募の質が上がった
- 入社を決めた社員のほとんどが社員インタビューを読んでいた
- 他社からも内定をもらったときに入社する決め手になった
このような声が多数あります。社員インタビューは直接の応募(コンバージョン)より間接的な効果を生むコンテンツとお考えください。
まとめ:プロの技術で「働きたい」を引き出す
ここまで、就活生の心を掴む社員インタビューの書き方について、7つの仕掛けを解説してきました。
効果的な社員インタビュー記事を作るためには:
- 明確なターゲット設定
- 記事の目的とゴールの明確化
- 事前準備による深い内容の引き出し
- インタビュー中の「パンチライン」の発見
- 共感を生む構成術の活用
- 信頼を築く表現技法の実践
- 自然な行動喚起の仕組み作り
これらの要素を組み合わせることで、単なる情報提供を超えた、読者の心に響く記事が完成します。
しかし、これらの技術を習得し、実践するには時間と経験が必要です。また、迷ってひとりでウンウン悩むより、周りの方の素直な意見を取り入れることができる。 ため、プロの力を借りることも選択肢の一つです。
「働きたい」と思われる社員インタビューには、確かに仕掛けがあります。その仕掛けを理解し、適切に活用することで、貴社の採用活動は大きく前進するはずです。
本記事で紹介した技術を参考に、ぜひ効果的な社員インタビュー記事の作成に挑戦してみてください。そして、もしプロのサポートが必要な場合は、専門的なノウハウを持つサービスの活用も検討してみてはいかがでしょうか。
詳しい資料は以下よりご確認いただけます。

