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自分から勉強する子の親が実践|声かけ不要になる指導法とは?
「また今日も『勉強しなさい!』と言ってしまった…」「いつになったら自分から机に向かってくれるの?」毎日の声かけに疲れ果てている保護者の方は多いのではないでしょうか。実は、子どもが自分から勉強するようになるかどうかは、親の関わり方次第で大きく変わります。そこで本記事では、毎日の声かけから解放されて、子どもが自然と勉強に向かうようになる実践的な指導法をご紹介します。単なる理想論ではなく、今日から実践できる具体的な方法をお伝えしていきます。
自分から勉強する子の特徴とは?3つの共通点を解説
自分から勉強する子には、いくつかの共通した特徴があります。自ら勉強する子は自分で考えて行動や発言ができる傾向にあり、例えば「終わりました」「次に進んでもいいですか?」「ここを教えてください」など主体性を持って勉強に取り組むことができます。これらの特徴を理解することで、我が子をどのように導けばよいかが見えてきます。
1. 自ら考えて行動できる主体性がある
自分から勉強する子の最も顕著な特徴は、指示を待つのではなく自ら考えて行動できることです。このような子どもは、先生や親の指示を待たずに自ら考えて次に何をすべきか常に頭を働かせられる子が多く、わからないことは調べるか先生に聞くなどして疑問を放置しないため成績が伸びやすいです。
一方で、成績が伸び悩んでいる子は、「指示があるまで何もしない」「指示されたことが終わっても黙っている」「わからないことがあっても聞かない」といった特徴があります。この違いは、単に性格の問題ではなく、家庭での関わり方によって育まれる部分が大きいのです。
2. 集中できる学習環境が整っている
自ら勉強する子は集中しやすい環境で勉強しているケースが多く、例えば、「ソファやベッドの上ではなくきちんと机で勉強する」「テレビやスマホなど集中力を削ぐ原因となるものを近くに置かない」といったことを実践している傾向にあります。
環境づくりは親のサポートが不可欠な部分です。勉強する環境が整っていないと気が散りやすく効率的に勉強を進められないため、保護者が学習環境を整えてあげることが大切です。まずは専用の学習スペースを確保し、勉強中は誘惑となるものを遠ざけることから始めましょう。
3. 勉強が日常の習慣として定着している
自ら勉強する子の特徴としては家庭学習の習慣が身についている点も挙げられ、勉強することが当たり前だと認識しているため少しずつ勉強が得意になります。これは、歯磨きや入浴と同じように、勉強が生活の一部として組み込まれている状態です。
自分から勉強する子どもは、勉強が習慣になっているケースも多いです。歯磨きやお風呂などの習慣は、好きや嫌いの感情をはさむ余地なく当たり前のように毎日しています。勉強も同じような習慣となっていれば、モチベーションに左右されることなく、自分から勉強をこなすことが可能です。
なぜ「勉強しなさい」では効果がないのか?声かけの落とし穴
多くの保護者が陥りがちな「勉強しなさい」という声かけ。しかし、この方法では子どもの自主性は育ちません。なぜ効果がないのか、その理由を詳しく見ていきましょう。
指示命令型の声かけが逆効果になる理由
学習というのが、勉強を指しているのであれば、子どもが自ら進んで学習することは通常見られない景色です。なぜなら、いつしか子どもたちは、勉強は「しなければならないこと」と思うようになってしまったからです。この認識を強化してしまうのが、「勉強しなさい」という指示命令型の声かけなのです。
例えば、「勉強しなさい」「宿題しなさい」といった指示命令型の声がけから、「そろそろ勉強やったほうがいいんじゃないの?」とか「もう時間よ」といった示唆型声がけをすることもあります。これらの声がけは、やってはいけないというものではありませんが、まず効果は期待できないと思ったほうがいいでしょう。
子どもの心理に与える悪影響
「勉強しなさい」という声かけは、子どもに「やらされている感」を与えます。これにより、勉強に対する内発的動機づけが失われ、親の目がないと勉強しない子になってしまいます。さらに、反抗期の子どもであれば、かえって勉強を避けるようになることもあります。
自分から勉強する子の親がしていることの一つとして、勉強を強制しないことが挙げられます。あくまで子どもの主体性に任せて、自ら学びたくなる環境づくりをサポートします。強制ではなく、自然に勉強に向かいたくなる環境を作ることが重要なのです。
声かけに頼らない新しいアプローチの必要性
もし、声がけによって子どもが進んで学習するのであれば、とっくにそのような言葉が世の中に流通しており、すでにその効果が出ていて、進んで勉強する子だらけになっているはずです。つまり、声かけという方法自体を見直し、別のアプローチを取る必要があるということです。
東大生の親が実践していた「一緒に学ぶ」メソッド
それでは、実際に自分から勉強する子を育てた親たちは、どのような方法を実践していたのでしょうか。東大生100人へのアンケート結果をもとに、東大生の親がどのように子供と接していたのかを見ていきましょう。
親も一緒に問題を解く効果
東大生が育つ家庭では、親が子供に勉強を教えているイメージを抱く人が多いのではないだろうか。だが、実際には親が直接、子供に勉強を教える家庭は少ない。その代わりに、子供と一緒になって問題を解く場合が多いようだ。
この方法の効果は絶大です。親も自分で問題を解き、一緒に試行錯誤すると、「ここをこうしたら解けるのかな?」「いや、一回それで考えたんだけど、ここの部分で引っかかっちゃって」という会話が生まれる。こうして一緒に解くことで、子供は勉強を教わっているという感覚ではなく、友達と一緒にパズルをやっているような感覚に近くなっていく。
答えを教えるのではなく共に考える姿勢
多くの家庭ではこういう場合、親がその問題集の解答・解説を読んで、「こういう風にやるみたいよ」と答えを教えるだろう。だがそれでは、子供と同じ目線に立って指導していることにはならない。重要なのは、答えを知っている先生としてではなく、一緒に悩んでくれる仲間として関わることです。
自分から勉強する子どもの親は、子どもと一緒に学習に取り組む習慣を持っています。子どもにとって、最も身近なお手本となる存在が保護者です。保護者が率先して学習に取り組んでいる姿を見せれば、自然と「勉強は自分から進んでやるものだ」という認識を持てます。
勉強対決で楽しみながら学力向上
東大生の家庭では、「子供と親の勉強対決」も少なくなかった。算数の問題や何らかのテストを、親と子が同じ時間で解き、どちらの方が多く得点できたのかを競うというものだ。これは、勉強を苦痛なものではなく、楽しい挑戦として捉えさせる効果があります。
対決形式の学習は、子どもの競争心を適度に刺激し、「もっとできるようになりたい」という向上心を育てます。親を超えた子供は、「自分はこんなにできるようになった」という自己効力感が上がり、さらに高みを目指すようになっていくのだという。
声かけ不要になる!習慣化の具体的ステップ
それでは、実際に声かけなしで子どもが勉強するようになるための、具体的な習慣化のステップを見ていきましょう。
既存の習慣に勉強を組み込む方法
食事・入浴・歯磨き・就寝といったものは日常のなかで習慣化されたものですが、このすでに習慣化されたもののなかに新しい習慣として「勉強」を組み込むと良いです。これは、新しい習慣を作る際の基本的な方法です。
具体的には以下のような組み込み方があります:
- 朝食後に10分間の計算ドリル
- 夕食前に必ず宿題を済ませる
- お風呂上がりに暗記科目の復習
- 就寝前に読書タイム
最初から「毎日1時間勉強する」などの大きな目標を立ててしまうと挫折しやすいので、無理のない範囲から習慣化を目指します。まずは5分、10分といった短い時間から始めることが成功の秘訣です。
小さな成功体験を積み重ねる工夫
自ら勉強することを習慣化させるためには日々の目標を見える化すると良く、具体的にはノートなどに「今日やること」「今週やること」などを書き出しておくのがおすすめです。
目標を達成したら、必ずチェックマークをつけたり、シールを貼ったりして、達成感を視覚化しましょう。やることが完了するたびにチェックを入れていくことで「達成する喜び」を実感しやすく、さらにポイント制のゲーム形式にすればこれまでの記録が数値化されるため、自分の成長が見える化されてモチベーションアップにもつながります。
学習環境を整える重要性
習慣化のためには、環境整備が欠かせません。子どもが自分から勉強に取り組むためには、当人のやる気が出る勉強机を用意しましょう。単に机を用意するだけでなく、子ども自身が「ここで勉強したい」と思える空間づくりが大切です。
環境整備のポイント:
- 専用の学習スペースを確保する
- 必要な文房具や参考書をすぐ手に取れる位置に配置
- 適切な照明と椅子の高さ調整
- スマートフォンやゲーム機は別の部屋に置く
思考力を育てる親の関わり方
単に勉強時間を増やすだけでなく、子どもの思考力を育てることが、真の意味での自立学習につながります。思考力を育てる親の関わり方について見ていきましょう。
興味・関心を引き出す質問の仕方
学習をいわゆる学校の勉強ではなく、自分の興味があることを学ぶという意味であれば、自ら学ぶ人はたくさんいます。つまり、子どもの興味・関心を学習につなげることが重要です。
効果的な質問例:
- 「今日学校で一番面白かったことは何?」
- 「その問題、どうやって解いたの?教えて」
- 「もし○○だったらどうなると思う?」
- 「なぜそう考えたの?」
これらの質問は、子どもに考える機会を与え、自分の考えを言語化する練習にもなります。
失敗を恐れない環境づくり
自分から勉強する子の親は、子どもがやりたいことを比較的自由に挑戦させます。子どもにとって、知的好奇心や興味・関心は、学習における大きなモチベーションです。失敗を恐れずに挑戦できる環境があってこそ、子どもは主体的に学ぶようになります。
失敗を恐れない環境づくりのポイント:
- 間違えても責めない
- 「どうしたらうまくいくか」を一緒に考える
- プロセスを褒める(結果だけでなく努力を認める)
- 失敗から学んだことを振り返る時間を作る
プロセスを重視する声かけの例
結果ではなくプロセスを重視することで、子どもは学ぶこと自体に価値を見出すようになります。以下のような声かけを心がけましょう:
- 「今日は30分も集中できたね」(時間に注目)
- 「難しい問題にチャレンジしたんだね」(挑戦を評価)
- 「前より丁寧に書けるようになったね」(成長を認める)
- 「自分で調べて解決したんだ、すごい!」(自主性を褒める)
よくある悩みと解決策
自分から勉強する子に育てる過程では、様々な悩みが生じます。ここでは、よくある悩みとその解決策をご紹介します。
すぐに効果が出ない時の対処法
行動を習慣化するには時間がかかるものなので、長い目で見ながら勉強の習慣化を目指してください。一般的に、新しい習慣が定着するまでには最低でも3週間、完全に習慣化するには2〜3ヶ月かかると言われています。
焦らずに取り組むためのポイント:
- 小さな変化も見逃さない(5分でも机に向かったら褒める)
- 後退することもあると理解する
- 親自身がイライラしない工夫をする
- 定期的に振り返りの時間を設ける
兄弟姉妹がいる場合の工夫
兄弟姉妹がいる場合、それぞれの個性に応じた対応が必要です。一人ひとりに合わせた学習環境を整えることが大切です。
- それぞれの学習スタイルを尊重する
- 比較しない(「お兄ちゃんは〜」などの発言は避ける)
- 個別の時間を確保する
- 協力して学ぶ機会も作る(教え合いなど)
親自身のモチベーション維持方法
子どもの変化を待つ間、親自身のモチベーション維持も重要です。自分が必死に勉強をしているのに、親がテレビやYouTubeを観てばかりだと「どうして自分だけ頑張らなくてはいけないのか」という気持ちになってしまうでしょう。
親のモチベーション維持のコツ:
- 親自身も何か学習する(資格取得、読書など)
- 子どもの小さな成長を記録する
- 同じ悩みを持つ保護者と情報交換する
- 定期的に自分へのご褒美を設定する
まとめ:半年後には声かけ不要の自立した学習者へ
ここまで、自分から勉強する子を育てるための具体的な方法をご紹介してきました。最も重要なのは、「勉強しなさい」という指示命令型の声かけから脱却し、子どもと一緒に学ぶ姿勢を持つことです。
親は、子供に勉強を押し付けたりはもちろん、教えたりもしない方が良いのだ。しかしそうかと言って放任しておくと、勉強に遅れが出てしまったり、いつまでも学習習慣が身に付かなかったりする。今回紹介したように、子供の勉強のサポートは、「一緒に」やるというのが一番有効なのかもしれない。
実践のポイントをまとめると:
- 環境を整える(専用の学習スペース、誘惑の排除)
- 既存の習慣に勉強を組み込む(小さく始める)
- 親も一緒に学ぶ姿勢を見せる
- プロセスを重視し、小さな成功を認める
- 焦らず長期的な視点を持つ
これらの方法を継続的に実践することで、半年後には「勉強しなさい」と言わなくても、自然と机に向かう子どもの姿が見られるようになるでしょう。毎日の声かけに疲れている保護者の方は、ぜひ今日から一つずつ実践してみてください。
しかし、家庭だけでは限界を感じることもあるでしょう。特に「勉強のやり方」から根本的に見直したい、専門的なサポートを受けながら確実に自走力を身につけさせたいという場合は、プロの力を借りることも一つの選択肢です。
詳しい資料は以下よりご確認いただけます。

