【知っておきたい】こども大綱って何?具体的な支給金や細かな支援内容について徹底解説!
目次
「子供を社会全体で大切にしよう」というのが、政府が策定した「こども大綱(たいこう)」の主旨です。
これまで個別に行われてきた少子化対策、子育て支援、子供の貧困対策などを一元化し、妊娠から出産、教育までライフステージに合わせた切れ目のない支援を行うことで、すべての子供が健やかに育ち、夢と希望を持てる社会の実現を目指します。
具体的には、次のような政策や支給金などの恩恵を受けやすくなります。
支援内容 | 金額 |
---|---|
出産・子育て応援交付金 | 10万円相当 |
出産育児一時金 | 50万円 |
児童手当 | 0歳~3歳未満: 月額15,000円 3歳~高校生: 月額10,000円 第3子以降: 月額30,000円 |
高校生修学支援 | 授業料無償化、就学支援金支給 |
大学生等修学支援 | 授業料減免、奨学金拡充、日本版HECS導入検討 |
男性育児休業給付 | 手取り10割相当(給付率80%) |
育児時短就業給付 | 時短勤務時の賃金の10% |
出産時の現金支給や児童手当の拡充、教育費支援など、経済的な後押しと同時に、児童虐待防止や相談体制の強化など、子供の権利擁護にも力を入れる方針です。
この記事は、内閣府のこども大綱(本文)(令和5年12月22日閣議決定)をもとに、子育て世代が知りたい情報について詳しく解説しています。
- 子供の権利を守り、一人一人の個性を大切にすること
- 子供や子育て中の親の意見をよく聞き、一緒に取り組むこと
- 子供が乳幼児から大人になるまで、成長段階に合わせた切れ目のない支援をすること
- 貧困や虐待がなく、子供が健やかに育つ良い環境をつくること
- 若者が安心して働き、結婚・子育てできるよう支援すること
- 国、自治体、民間が力を合わせて取り組むこと
こども大綱(たいこう)とは、上記のように子供を国・自治体・家族で大切にしましょうという政策のことです。
これまで日本では、少子化対策、子育て支援、子どもの貧困対策といった施策が、それぞれ別々の法律に基づいて進められてきましたが、こども大綱ではこれらをひとつにまとめて、総合的に取り組むことにしました。
こども大綱の6つの基本理念
① 全てのこどもについて、個人として尊重され、その基本的人権が保障されるとと
もに、差別的取扱いを受けることがないようにすること。② 全てのこどもについて、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛
され保護されること、その健やかな成長及び発達並びにその自立が図られること
その他の福祉に係る権利が等しく保障されるとともに、教育基本法の精神にのっ
とり教育を受ける機会が等しく与えられること。③ 全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する
全ての事項に関して意見を表明する機会及び多様な社会的活動に参画する機会が
確保されること。④ 全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮されること。
⑤ こどもの養育については、家庭を基本として行われ、父母その他の保護者が第一
義的責任を有するとの認識の下、これらの者に対してこどもの養育に関し十分な
支援を行うとともに、家庭での養育が困難なこどもにはできる限り家庭と同様の
養育環境を確保することにより、こどもが心身ともに健やかに育成されるように
すること。
こども大綱は、実際に子どもや子育て家庭が抱える課題を踏まえた上で、上記の6つの基本理念を掲げています。
カンタンに言うと「子どもの権利を守ること、成長段階に合わせた切れ目のない支援をすること、貧困や虐待からこどもを守ること、子育てをしやすい環境をつくること」を目的とした政策に力を入れて行きますよ、ということです。
「こども大綱」で、どんなことが変わるの?具体的な支援内容とは?
・妊娠期から出産、子育て期間を通した切れ目のない保健・医療支援の提供
・幼児教育・保育の無償化、高校生や大学生への修学支援など教育費負担の軽減
・児童手当の拡充をはじめとする経済的支援
・地域子育て支援施設の充実や家庭教育支援の強化
・男性の育児休業取得促進、共働き世帯への支援による男女共同の子育ての推進
・ひとり親家庭への生活支援、就労支援、養育費の確保支援
・児童虐待の予防と社会的養護の強化、ヤングケアラーへの支援
・いじめ防止対策、不登校支援、学校におけるカウンセリング体制の拡充
・子ども・若者の居場所づくりと放課後児童クラブの拡充
・自殺対策、性被害防止、非行防止など権利侵害からの子ども保護
こども大綱によって、子育て家庭への支援がこれまで以上に手厚くなる予定です。
妊娠から出産、そして子育ての各ステージに合わせて、保健・医療から経済的な側面まで、きめ細かくサポートが受けられるようになります。
例えば、無料で安心して出産できるよう医療費助成が拡充されたり、子育て費用の負担が大幅に軽減されるなど、経済的な不安を和らげる施策が打ち出されています。
また、ひとり親家庭に対する生活支援や就労支援、養育費の確保支援なども強化されます。共働きを希望する家庭に対しては、男性の育児休暇取得を促進したり、保育所の拡充などで仕事と子育ての両立をバックアップします。
子育て環境だけでなく、「子供」に焦点を当てた体制の強化も
子育ての不安を軽減するため、地域の相談窓口や育児サポートの体制が整備されるほか、ヤングケアラーといった特別な事情の子どもへの寄り添い支援も用意されます。
さらに、児童虐待の早期発見・防止や、社会的養護が必要な子どもへの手厚い支援に加え、いじめ、不登校、自殺、性被害などから子どもを守る取り組みも進められます。
あらゆる子どもが健やかに育ち、夢と希望を持って羽ばたけるよう、きめ細かく手厚い支援の輪が全国に広がっていくことが期待されています。
こども大綱はライフステージに合わせて支援・政策を行う?具体的な内容は?
ライフステージ | 重要な支援 |
---|---|
こどもの誕生前から幼児期 | ・妊娠期からの切れ目ない医療サポート |
・出産費用の軽減、産後ケアの充実 | |
・家庭や地域でこどもの遊び場の確保 | |
・子育て支援施設でのサポート強化 | |
学童期・思春期 | ・学校生活を安心して過ごせる環境整備 |
・放課後の居場所、学習支援の場の提供 | |
・不登校、いじめ、体罰防止対策の強化 | |
青年期 | ・進路選択や社会参画に向けた教育 |
・ライフプランニング、金融経済教育の充実 | |
・高校、大学等への修学支援 | |
青年期以降 | ・若者の雇用と生活基盤の安定化支援 |
・結婚、妊娠、出産、子育てへの支援 | |
・悩みや不安を抱える若者への相談体制 |
こども大綱では、子どもや若者、子育て家庭に対する支援内容が、ライフステージごとに異なるように組み立てられています。
赤ちゃんが生まれる前から、妊婦の方への医療支援が行われ、出産後はお母さんの健康管理や育児のサポートが受けられるような政策を強化していくとのこと。
また子どもが成長するにつれ、遊びや体験の機会の確保、子育て施設でのサポートなど、心身ともに健やかに育つための取り組みが用意されています。
子どもの成長段階に合わせて安心して過ごせるような日本にするために
対象 | 政策・施策 |
---|---|
学童期・思春期 | 学校教育の質の向上(教職員の働き方改革、指導・運営体制の充実など) |
インクルーシブ教育システムの実現に向けた特別支援教育の充実 | |
コミュニティ・スクール(学校運営協議会)と地域学校協働活動の推進 | |
放課後児童クラブの受け皿整備と安定的運営の確保 | |
学校におけるカウンセリング体制の拡充、スクールソーシャルワーカーの配置推進 | |
いじめ防止対策の強化(組織的対応、関係機関連携、相談体制整備など) | |
青年期 | 高校生のキャリア教育の充実、進路選択支援 |
社会人としての基礎力育成(ライフプランニング教育、消費者教育、金融経済教育など) | |
高等教育段階の修学支援(奨学金制度の充実、授業料減免、授業料後払い制度の導入など) | |
大学生支援(自殺対策、障害のある学生への支援、生涯学習の推進など) |
学童期、思春期向けに、上記の表のように学校生活を安心して過ごせる環境づくりが重視した具体的な政策が行われるようです。
また、日本全体の問題とも言える不登校やいじめ、体罰などの問題への対策強化とともに、放課後の居場所や学習支援の場の提供などに力が入れられるようになること。
そして青年期に入ると、社会に出るための教育支援が中心となります。
進路選択のサポートや、ライフプランニング、金融教育の充実などが図られ、就職後も若者の雇用と生活の安定に向けた支援に力が入れられるされています。
結婚・妊娠・出産に関しても、より手厚い行政サービスが受けられるように
項目 | 政策・施策 |
---|---|
結婚、妊娠、出産、子育てへの支援 | 結婚支援(出会いの機会創出、結婚に伴う新生活支援など) |
妊娠期からの切れ目ない相談支援体制の構築 | |
出産費用の保険適用導入や無痛分娩の推進など出産支援 | |
子育て費用の負担軽減(児童手当の拡充、教育費支援など) | |
共働き世帯支援(男性の育児休暇取得促進、保育所など子育て環境整備) | |
悩みや不安を抱える若者への相談体制 | 子ども・若者総合相談センターの相談体制充実 |
SNSを活用した若者に身近な相談窓口の整備 | |
こころの健康や病気、相談支援に関する情報提供 |
結婚、妊娠、出産、子育てへの支援では、経済的な不安を和らげるような施策が打ち出される予定です。
主に上記のように子育てしながらでも働ける環境整備や、相談体制の強化を行うと発表されています。
このように、こども大綱では子どもや若者、子育て家庭を、ライフステージに合わせて切れ目なく支援することで、安心して成長できる環境づくりを目指しています。
こども大綱で社会は、どう変わる? 具体的な政策や気になる「お金」のこと
支援内容 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
出産・子育て応援交付金 | 10万円相当 | 妊娠届時と出産後の面談で支給 |
出産育児一時金 | 50万円 | 2023年4月から増額 |
児童手当 | 0歳~3歳未満: 月額15,000円 3歳~高校生: 月額10,000円 第3子以降: 月額30,000円 |
所得制限撤廃、高校生まで延長 |
高校生修学支援 | 授業料無償化、就学支援金支給 | - |
大学生等修学支援 | 授業料減免、奨学金拡充、日本版HECS導入検討 | 多子世帯は所得制限なく授業料無償化 |
男性育児休業給付 | 手取り10割相当(給付率80%) | 出生後両親が育休取得時 |
育児時短就業給付 | 時短勤務時の賃金の10% | 子ども2歳未満時の時短勤務で支給 |
こども大綱では、出産から子育て、教育までライフステージに応じて、さまざまな直接的な金銭支援が用意されています。
妊娠時から応援交付金という形で10万円が支給・さらに出産育児一時金として50万円の支払いも
画像出典:NHK「 解説「こども大綱」って何?こども政策 どう具体化するの?子育て支援は」より
まず妊娠した際には、出産・子育て応援交付金として10万円相当が支給されます。
出産時には出産育児一時金が50万円支払われるほか、低所得の妊婦には産科受診料の助成も行われます。
また子育て期には、児童手当が拡充され、0歳から3歳未満で月15,000円、3歳から高校生まで月10,000円が無条件で支給されます。さらに第3子以降は月30,000円が加算されます。
教育費の負担軽減として、高校生は授業料が無償化され、就学支援金も出るとのこと。大学生などについても、授業料減免や奨学金の拡充、日本版の授業料後払い制度の導入が検討されています。
現役世代の育児休暇もこれまでより取りやすく!給与の8割が支給
画像出典:NHK「 解説「こども大綱」って何?こども政策 どう具体化するの?子育て支援は」より
男女共に育児休業を取りやすくするため、出生後に両親が育休を取得すれば給与の8割が支給され手取りは10割相当になります。
さらに子どもが2歳未満の場合、時短勤務を選んだ際に賃金の一部が支給される新制度も創設される予定です。
このように、妊娠から出産、子育て、教育と、ライフステージに合わせた手厚い経済的支援が講じられることになります。
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