商品力・スキルだけではもはや限界! 小さな会社がコロナ禍を生き抜く!3つの差別化戦略!

株式会社ゼクスデザイン 高田 昇浩
個人事業型・少人数型ビジネスには差別化が重要です

 

 

経営の成功は、いかに「理念」や「ビジョン」を体系化し、具現化できるかが肝になると主張する株式会社ゼクスデザイン。

 

広告業界にたずさわり20年。現場のデザイナーとして関わるほか、企画プランニング・ブランド構築・マーケティング戦略など、デザインを武器とした、企画の経営戦略パートナーとして活躍してきた。

 

これまで大手有名企業から小さなお店まで約300社、2000種以上のデザイン、プロモーション業務を手がけたからこそ、「競合との戦い方」を熟知している。競合と戦うには差別化が重要とする。

 

 

リーマンブラザーズの経営破綻
ー差別化の重要性に気づいたきっかけはなんだったのですか。

 

 

サラリーマン時代、昭和シェル石油や日産自動車など大手企業でクリエイティブの仕事をしていました。

 

リーマンブラザーズの経営破綻をきっかけに1000万円近く投資して猛勉強しましたが、結果は無風状態。

 

他の人よりも多くの知識を身につければ売れると信じていました。でもそれは失敗に終わりました。差別化が重要だと気づきました。

 

 

 

差別化の真の目的とはお客さまに選ばれるため
ー差別化とは何ですか。

 

他人と違うことをすること、と考えられがちです。

 

差別化をするというと、チラシを出してみたり、大手が提案しないことを提案したりすることを考える方が多いのではないでしょうか。

 

他にもよい商品、サービスなら売れる、技術力が高ければ売れる、デザイン(見た目)をよくすれば売れる、チラシやDMをたくさん撒けば買ってくれる。

 

そして、SNSやYouTubeなどでたくさん露出すればよい、新しい設備(資格)があれば選んでもらえる、まだ誰もやっていない斬新なアイデアが必要……など。これらを差別化と勘違いしている方が本当に多いです。

 

 

 

 

差別化が何かを勘違いしたままでは

 

価格競争になったり、スペック競争になったり時間やお金のコストがかかってしまうでしょう。このままだと時間経過とともに売上げや利益が下がったり、忙しさが増したりしてしまいます。

 

差別化とは、他社と競争することではありません。他社と違うことをして「あなたを選ぶ理由をつくること」です。

 

今あなたは、お客さまからなぜ選ばれているでしょうか。提案力や人物、信頼関係のある人からの紹介、会社コンセプトに共感してもらっているなどが考えられます。

 

差別化は、お客さまに選ばれるために行います。売上げを上げたいから、選んで欲しいということです。

 

つまり、差別化とは、「売れる・儲けるための手段」ともいえます。

 

 

 

ビジネスで成果を出すための手順とは一貫してサイクルを回すこと
ーどんなサイクルを回すのですか。

 

想い、志、経営理念を軸に「差別化軸」→「誰の何を」→「No.1宣言」→「商品開発」→「見せ方」→「売り方」→「広める」→「差別化軸」・・・の一貫したサイクルです。

 

一般的には「見せ方」→「売り方」→「広める」の「How(どうやって)」の部分に集中しがちですが、「差別化軸」→「誰の何を」→「No.1宣言」の「Why(なぜ)」の部分が重要です。

 

「商品開発」や「見せ方」から考えがちですが「差別化軸」を起点にこのサイクルを一貫してドリルのように繰り返すことで成果が出るようになってきます。

 

そして、各項目の内容を一貫してサイクルを回すこと、全体像、一貫性、繰り返しが重要です。サイクルを回すことでドリルのように研ぎ澄まされてきます。

 

一部分だけで成果を出そうとしてもうまくいきません。

 

 

 

 

「差別化軸」の3つの考え方とはCPF
ー差別化軸とは何ですか。

 

差別化軸はCPFで考えます。手軽軸(Convenience)、技術軸(Professional) 、顧客軸(Friendly、Fun)の頭文字を取っています。

 

 

Cでは便利さや手軽さ、利便性を追求します。

コンビニエンスストアや、ファストフード店などのイメージです。

 

 

Pでは特定の分野のプロフェッショナル、スペック競争や最新技術を追求します。

たとえば、医者などの専門性のある領域です。

 

 

Fではお客さまのサポート重視や寄り添ったり、ニーズを追求します。

 

 

すべてに注力するのではなく、どれか1つに絞って他の2つは平均点にするとよいです。

たとえば、安さや手軽さに絞っているけど、商品が著しく良くないのは望ましくありません。

 

差別化軸は一貫することが重要です。例えば、お店の雰囲気とチラシとホームページのイメージに一貫性をもたせることです。

 

 

 

誰の何をの考え方とは売る相手を決めること
ーどうやってターゲットを絞るのですか。

 

 

あなたの商品が誰の何を満たすのかかが大事なのです。誰があなたの商品を必要としているか、お客さまを絞るということです。

 

例えば、現場監督の男性が「今日は味の濃いラーメンが食べたい」と思った場合。どんな種類のラーメンもあるラーメン屋よりもこってりスープの濃厚ラーメン屋の方に行くのではないでしょうか。

 

差別化から派生して対象を絞ると、ターゲットが明確になって商品がターゲットに刺さりやすくなります。

 

高田流のお客さまに選ばれるための必勝法は、「売る相手を決める」ということ、つまり「売らない相手を決める」ということです。

 

 

 

No1宣言の考え方とは「〇〇といえば私」
ーポジションはどうつくるのですか。

 

 

和菓子屋さんの例をご紹介します。

 

No.1の和菓子屋さんを目指しているとします。まず、日本一でなく県ではなく市で1番になることを目指します。そのほかメニューや特徴も絞りましょう。メニューはごま団子に、特徴は「毎日食べても飽きない」に絞ります。

 

すると、「毎日食べても飽きない〇〇市でNo.1のごま団子屋」というポジションがつくれます。

 

つまり、「〇〇といえば私です」「私といえば〇〇です」といえばポジションをつくれるということです。

 

 

 

質疑応答

 
Q:一貫性が大切なのは理解できたのですが、目標通りにいかなかったとして一部分が問題なのか全体の設計に問題があるのかの検証をどうするのかが気になります。
 

A:ビジネスで成果を出すための手順のサイクルはサークル状になっています。1個ずつステップを仮決めしながらステップを踏んでいって、うまくいくか確認しながらステップを進めていき検証していくということです。

 

 
Q:差別化の3つの軸CPF(C:Convenience、P:Professional、 F:Friendly、Fun)は1つに絞りにくいときはどうすればいいでしょうか。
 

A:1つの軸に絞って他の軸は切り捨てるわけではなく、1つの軸に絞って他の軸は平均点にします。ターゲットを絞るのと同じように1つの軸に絞って仮決めしてテストすることが重要です。

 

 
Q:小さな会社や個人のビジネスの場合、P軸(P:Professional)で進めても大丈夫でしょうか。
 

A:P軸(P:Professional)でいくといっても、C軸(C:Convenience)のような売り方をしないことです。どの軸で進めてもよいですが、P軸で決めたら、安売りなどせずに一貫してP軸にふさわしい売り方で進めるのがよいです。

 

 

 

最後に

 

今回、個人事業型・少人数型ビジネスには差別化が重要ということをお伝えしてきました。

 

個人事業型・少人数型ビジネスでも今回お伝えしたビジネスで成果を出すためのサイクルを一貫して回すことで、他社と差別化できお客さまに選んでいただけるようになります。

 

失敗することより、何もしないことの方がもっと怖いです。迷った時こそ動き出すこと。今までと違う結果を求めているのなら、違うことをすることが大切です。

 

本記事が個人事業型・少人数型ビジネスに取り組んでいる方の参考になれば幸いです。