「新NISAを始めたいけれど、口座開設の手順がわからない」「投資信託と株式のどちらを選べばいいか迷っている」――そんな悩みを抱えている方は、2026年現在もまだまだ多くいらっしゃいます。制度開始から2年以上が経過した今、非課税メリットを活かして資産形成を加速させている人と、まだスタートできていない人との差は着実に広がっています。本記事では、2026年版の最新情報をもとに、新NISAの口座開設から投資信託・株式の購入手順まで、初心者でも迷わず実践できるよう丁寧に解説します。
新NISA(少額投資非課税制度)は2024年1月にスタートし、2026年現在も拡充・活用が続いています。旧NISAと比べて非課税枠が大幅に拡大されており、長期・積立・分散投資を行う上で非常に強力な制度です。まず制度の骨格をしっかり理解した上で、実際の手続きへ進みましょう。
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類があります。旧NISAでは両者を同時に使うことができませんでしたが、新NISAでは1人1口座の中で両枠を併用できます。
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 生涯非課税限度額 | 1,800万円(両枠合計) | 1,200万円(うち成長投資枠上限) |
| 対象商品 | 金融庁指定の投資信託・ETF | 上場株式・投資信託・ETF・REITなど |
| 投資方法 | 積立のみ | 積立・一括どちらも可 |
| 非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
両枠合計で年間最大360万円、生涯合計1,800万円まで非課税で運用できます。通常、株式や投資信託の利益には約20.315%の税金がかかりますが、NISA口座内であれば売却益・配当金・分配金がすべて非課税になります。
金融庁の発表によれば、2025年末時点での新NISA口座開設数は約2,500万口座を突破し、買付金額の累計も急増しています。特につみたて投資枠でのインデックスファンド積立が人気で、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)やeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が引き続き上位を占めています。一方で、成長投資枠を使った個別株投資も増加傾向にあり、国内外の優良企業への長期投資が広まっています。
旧NISA(一般NISA・つみたてNISA)で保有していた資産は、新NISAの非課税枠には引き継がれません。旧NISAの口座は非課税期間が終了するまでそのまま保有が可能ですが、新たな買付はできません。旧NISAから新NISAへの「ロールオーバー」制度も廃止されているため、旧NISA保有分は期間終了後に課税口座(特定口座)へ移管されます。この点を誤解しているケースが多いので注意が必要です。
新NISAの口座はどの金融機関で開設するかによって、選べる商品数・手数料・使い勝手が大きく異なります。特に投資初心者の方は、商品ラインアップが豊富でコストが低いネット証券を選ぶことが、長期的な資産形成において有利です。
ネット証券(SBI証券・楽天証券・マネックス証券など)は、インターネット上でほぼすべての手続きが完結し、取扱商品数が多く手数料が低いのが最大の特徴です。特に投資信託の購入手数料(販売手数料)は多くの場合無料(ノーロード)で、信託報酬も低コストのインデックスファンドを多数取り揃えています。
銀行は窓口でのサポートが充実している反面、取扱商品数が限られており、手数料が高い傾向があります。特に投資信託の信託報酬が高いアクティブファンドが中心になりがちなため、長期投資には不向きな場合があります。
対面証券(野村・大和・SMBC日興など)は担当者によるアドバイスが受けられますが、手数料が高く、担当者の提案が必ずしも顧客利益優先とは言えないケースもあります。初心者がコストを抑えて長期運用するなら、ネット証券が最もおすすめです。
| 証券会社 | つみたて投資枠 対象ファンド数 | 最低積立金額 | ポイント還元 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| SBI証券 | 約240本以上 | 100円 | Vポイント・Pontaポイント等 | 業界最大級の商品ラインアップ・クレカ積立対応 |
| 楽天証券 | 約240本以上 | 100円 | 楽天ポイント | 楽天経済圏との連携・楽天カード積立でポイント還元 |
| マネックス証券 | 約240本以上 | 100円 | マネックスポイント | 米国株に強い・クレカ積立還元率が高い |
| auカブコム証券 | 約240本以上 | 100円 | Pontaポイント | au経済圏利用者に有利・au PAYカード積立対応 |
| 松井証券 | 約240本以上 | 100円 | 松井証券ポイント | サポート体制が充実・高齢者・初心者にも丁寧 |
新NISAを始めるには、まず証券会社に一般口座または特定口座とNISA口座をセットで開設する必要があります。最近はスマートフォンで完結するオンライン本人確認(eKYC)が普及しており、早ければ申込から最短3営業日で口座が開設できます。以下のステップで手続きを進めましょう。
口座開設に必要な書類は主に以下の3点です。事前に準備しておくとスムーズです。
①マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類):マイナンバーカード1枚で本人確認とマイナンバー提出が同時に行えるため最も便利です。②本人確認書類:運転免許証・パスポート・住民基本台帳カードなどが使えます(マイナンバーカードがあれば不要)。③金融機関の口座情報:入出金に使う銀行口座の情報(通帳またはキャッシュカード)。
選んだ証券会社の公式サイトまたは公式アプリから「口座開設」ボタンをタップします。入力項目は①氏名・生年月日・住所などの基本情報、②NISA口座の開設希望の選択(「はい」を選択)、③特定口座の選択(「源泉徴収あり」がおすすめ:確定申告不要で便利)、④本人確認書類のアップロードまたはeKYCによるスマホ撮影、の順に進めます。スマホのカメラを使ったeKYCであれば最短即日で本人確認が完了するケースもあります。
証券会社がNISA口座の開設申請を税務署へ提出し、重複口座でないか確認が行われます(他の金融機関でNISA口座を保有していないかのチェック)。審査が完了すると、証券会社からメールまたは郵便でNISA口座開設完了の通知が届きます。通常3〜10営業日程度かかります。その後、証券会社のマイページからNISA口座の残高や投資枠を確認できるようになります。
口座開設後は、証券口座へ資金を入金します。入金方法は主に①即時入金(ネットバンキング)②振込入金③自動引落(定期積立設定)の3種類です。即時入金は手数料無料・即日反映のサービスが多く、最も手軽です。月々の積立を設定する場合は、クレジットカード引落またはデビットカード、証券口座からの自動引落を設定しておくと積立を自動化できて便利です。
口座開設が完了したら、いよいよ実際の投資商品を選んで購入します。投資初心者には、低コストのインデックスファンドをつみたて投資枠で積立購入する方法が最も王道です。分散・長期・低コストの3原則を守ることで、リスクを抑えながら安定的なリターンを目指せます。
インデックスファンドは、日経平均株価やS&P500などの指数(インデックス)に連動する運用を目指すファンドです。運用会社の判断による銘柄選定が不要なため、信託報酬(年間コスト)が低いのが特徴です。例えば「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬は年率0.05775%と極めて低水準です。
アクティブファンドは、ファンドマネージャーが銘柄を選択してインデックスを上回るリターンを目指すファンドです。信託報酬は年率1〜2%程度と高く、長期間での複利効果を考えると、コスト差が最終的なリターンに大きく影響します。長期投資においてはインデックスファンドの方が有利なケースが多いとされています。
| ファンド名 | 投資対象 | 信託報酬(年率) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 全世界株式 | 0.05775% | 約50カ国・3,000銘柄以上に分散投資。最も人気の1本 |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 米国株式 | 0.09372% | 米国主要500社に投資。過去のリターンが高い |
| 楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド | 全世界株式 | 0.0561% | 低コストで全世界分散。楽天証券で人気 |
| SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 米国株式 | 0.0938% | SBI証券で人気。バンガード社のETFに投資 |
| ニッセイ外国株式インデックスファンド | 先進国株式 | 0.09889% | 先進国22カ国に分散。長年の実績あり |
①証券会社のマイページにログインし、「投資信託」または「NISA」のメニューを選択します。②購入したいファンドを検索(例:「オール・カントリー」や「S&P500」と入力)します。③ファンドの詳細ページで「つみたて投資枠」と「成長投資枠」のどちらで購入するかを選択します(積立はつみたて投資枠がおすすめ)。④積立金額・積立頻度(毎月・毎週・毎日など)・引落方法(証券口座・クレジットカードなど)を設定します。⑤確認画面で内容を確認し、「設定を完了する」をタップします。一度設定すれば、あとは自動で毎月同じ金額が積み立てられるため、手間がかかりません。
投資信託でのつみたて投資に慣れてきたら、成長投資枠を活用した個別株投資にもチャレンジしてみましょう。成長投資枠では国内上場株式・米国株・ETF・REITなど幅広い商品を購入できます。個別株は投資信託に比べてリスクが高い反面、銘柄分析の面白さや配当金・株主優待を直接受け取れる醍醐味もあります。
①証券会社のマイページで「株式」→「国内株式」を選択します。②購入したい企業の銘柄コード(4桁の数字)または企業名で検索します。③銘柄の詳細ページで株価・PER・配当利回り・業績などを確認します。④「買付」ボタンをタップし、購入株数と注文方法(成行注文・指値注文)を選択します。成行注文は現在の市場価格で即時約定、指値注文は自分で指定した価格での注文です。⑤購入口座として「NISA(成長投資枠)」を選択することを忘れずに確認します。⑥確認画面で内容を確認し「注文する」をタップします。
日本株は100株単位(単元株)での購入が基本です。例えば株価1,500円の株であれば1単元で150,000円必要になります。ただし一部証券会社では「単元未満株(S株・ミニ株)」として1株から購入できるサービスもあります(ただし成長投資枠での単元未満株購入は証券会社によって対応が異なります)。
米国株は日本株と同様に証券会社のサイトから購入できますが、いくつか異なる点があります。①円→ドルへの両替が必要です(外貨決済または円貨決済を選択)。②米国株は1株単位から購入可能です(日本株の100株単位と異なる)。③米国市場の取引時間は日本時間で深夜〜早朝のため、注文のタイミングに注意が必要です。④配当金には米国で10%の源泉徴収がかかります(NISA口座でも米国源泉税は徴収されます。日本の税金は非課税になりますが米国分は戻りません)。
成長投資枠ではETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)も購入可能です。ETFは株式のように市場でリアルタイムに売買でき、インデックスファンドよりも信託報酬が低いものも多くあります。例えば「MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信」(証券コード:2559)は東京証券取引所に上場したETFで、少額から全世界株式に投資できます。REITは不動産を投資対象とする信託で、高い分配金利回りが特徴です。ただし不動産市況の変動リスクも伴います。
新NISAで最も大切なのは「長期・積立・分散」の原則を守り、相場の変動に動じずに継続することです。積立投資は市場が下がっているときに多くの口数を購入できる「ドル・コスト平均法」の効果を活かせるため、長期的には安定したリターンを得やすい方法です。
積立金額は毎月の手取り収入の10〜20%程度を目安にするのが一般的です。例えば手取り月収30万円であれば3万〜6万円が積立の目安となります。ただし、生活費・緊急予備資金(最低3〜6ヶ月分の生活費)を確保した上で、余剰資金の範囲内で設定することが鉄則です。
具体的な積立シミュレーション例:毎月3万円を年率5%で30年間積み立てた場合、元本1,080万円に対して、運用総額は約2,494万円になります(複利計算)。同じ条件でNISA口座外(課税口座)で運用した場合と比較すると、約20.315%の税金分が節税されるため、長期になるほど非課税メリットが大きくなります。
積立投資は「ほったらかし」でも問題ありませんが、年1回程度の定期的な見直しを行うことをおすすめします。見直しのポイントは①資産配分(アセットアロケーション)の確認:株式・債券・REITなどの比率が目標から大きく乖離していないか確認する。②コストの確認:保有ファンドの信託報酬が他の商品と比べて高くないか確認する。③積立金額の見直し:収入が増えた・支出が減った場合は積立額を増やすことを検討する。④ライフイベントへの対応:住宅購入・教育費・老後資金など目的に応じてポートフォリオを調整する。
長期投資を続けていると、必ず市場が大きく下落する局面に直面します。2020年のコロナショック、2022年の世界的な利上げによる株価下落など、歴史的に見ても大きな下落は定期的に起きています。しかし重要なのは、下落局面で売却せずに積立を継続することです。下落した価格でより多くの口数を購入できるため、その後の回復時により大きなリターンを得られます。「株価が下がっているときはバーゲンセール中」と捉え、積立を止めない・むしろ増額するという発想が長期投資成功の秘訣です。