「整骨院の売上を伸ばしたいけど、何を導入すればいいかわからない…」「脱毛器を導入したら本当に集客できるのか不安…」そんな悩みを抱える整骨院オーナーや院長先生は多いはずです。実は、整骨院への脱毛器導入は、既存の施術メニューとの相乗効果が高く、客単価アップと新規顧客獲得を同時に実現できる戦略として注目を集めています。本記事では、導入費用・機器選び・運用のコツまで、具体的な数値とともに徹底解説します。
目次

脱毛市場は年々拡大を続けており、2023年度の国内脱毛サービス市場規模は約3,500億円を超えたと推計されています(富士経済調べ)。一方、整骨院・接骨院は全国に約5万院以上あり、競合過多による売上低下が深刻な課題となっています。そこで注目されているのが「整骨院×脱毛」という組み合わせです。既存の患者・来院者に新たな価値を提供できるため、離脱防止と客単価向上を同時に狙えます。
脱毛ニーズは女性だけでなく、男性(メンズ脱毛)にも急速に拡大しています。男性脱毛市場は2019年比で約2.4倍の規模に達しており、整骨院のメイン顧客層である30〜50代男性へのアプローチとしても極めて有効です。また、整骨院は「体のケア」という印象が強いため、「美容」に踏み込みにくいと感じる男性が脱毛を試みやすい環境としても機能します。
整骨院で提供している電気療法・温熱療法などと脱毛施術は、機器の操作感が似ているため、スタッフが技術習得しやすい点も大きなメリットです。さらに、「肩こり施術+ひげ脱毛」「腰痛ケア+ワキ脱毛」のようなセット提案が可能で、1来院あたりの単価を1,500〜3,000円程度引き上げるケースも報告されています。
「整骨院で脱毛もできる」という珍しさは口コミを生みやすく、SNSや地域情報サイトでの拡散効果が期待できます。特に地方の整骨院では専門脱毛サロンが少ないエリアも多く、地域で唯一の脱毛対応整骨院というポジションを確立しやすい環境にあります。
✅ メリットまとめ
⚠️ 注意点
脱毛器の導入には初期費用が大きくかかるため、資金計画を事前に綿密に立てることが必須です。また、医療脱毛と光脱毛では必要な資格・許可が異なります。詳細は「法律・資格の注意点」のセクションで解説します。
脱毛器には大きく分けて「医療レーザー脱毛器」「業務用光脱毛器(IPL/SHR)」「家庭用・業務用フラッシュ脱毛器」の3種類があります。整骨院(接骨院)で導入できるのは、医師が常駐していない場合、基本的に業務用光脱毛器(IPL/SHR方式)となります。それぞれの特徴を正確に把握した上で選定しましょう。
IPL方式は広い波長帯の光を照射するタイプで、業務用脱毛器の主流です。メラニン色素に反応して毛根にダメージを与える仕組みで、肌への負担が比較的少なく、全身脱毛に対応できる汎用性の高さが特徴です。照射スピードが速いため、1部位あたりの施術時間を短縮でき、回転率を上げやすいメリットがあります。
SHR方式は低出力の光を高速で連続照射する方式で、「蓄熱式脱毛」とも呼ばれます。従来のIPLに比べて痛みが少なく、産毛にも効果的とされています。肌の色が濃い方や敏感肌の方にも対応しやすいため、男性のひげ・VIO脱毛にも向いています。近年の業務用機器はIPL・SHRの両方に対応したコンビネーション型が主流です。
最も高い永久脱毛効果が期待できますが、医師の常駐が必要な「医療行為」に分類されます。整骨院・接骨院では原則として使用できません。ただし、医師と提携した医療モールや、グループ内に医療機関を持つケースでは選択肢に入ります。
| 方式 | 効果 | 痛み | 整骨院での利用 | 目安費用 |
|---|---|---|---|---|
| IPL方式 | 高い | 中程度 | ◎ 可能 | 80万〜300万円 |
| SHR方式 | 高い(産毛にも有効) | 低い | ◎ 可能 | 100万〜400万円 |
| ダイオードレーザー | 最高 | 高い | △ 医師常駐が必要 | 300万〜1,000万円 |
| 家庭用フラッシュ | 低い | 低い | ✕ 業務利用不可 | 3万〜10万円 |
整骨院への導入に際しては、以下の基準で機器を選定することを推奨します。①照射スペック(ジュール数・ショット数)、②サポート体制(メーカーの研修・アフターフォロー)、③消耗品コスト、④機器サイズと設置のしやすさ、⑤リース・ローンの対応可否。特に、ショット数が多い機種(50万ショット以上)は消耗品交換のコストを抑えられるため、長期運用でのランニングコスト削減に直結します。
✅ 機器選びのポイント
⚠️ 注意点
「家庭用脱毛器を業務で使用すること」は薬機法上の問題が生じる可能性があります。必ず「業務用」として認証を受けた機器を選定してください。また、中古機器の購入はメーカーサポートが受けられないケースが多く、初期導入では新品・認定品を推奨します。

整骨院への脱毛器導入を検討する上で、最も気になるのが費用対効果です。ここでは初期費用・ランニングコスト・売上シミュレーションを具体的な数字で整理します。結論から言えば、適切な機器を選び、月20〜30名の施術をこなせれば、導入から12〜18か月での初期費用回収が現実的なラインです。
脱毛器本体以外にも、さまざまな初期費用が発生します。内訳を正確に把握することが事業計画の基本です。
| 費用項目 | 目安金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 業務用脱毛器本体 | 100万〜350万円 | IPL/SHR方式・新品の場合 |
| 施術ベッド・カーテン等の備品 | 10万〜30万円 | 個室化が必要な場合は内装工事も |
| 内装・個室化工事 | 20万〜100万円 | 既存スペースの活用で低減可能 |
| スタッフ研修費 | 3万〜20万円 | メーカー研修・外部セミナー |
| 広告・販促費(初年度) | 10万〜50万円 | チラシ・SNS広告・ホームページ改修 |
| 消耗品(カートリッジ・ジェル等)初回 | 3万〜10万円 | 施術ジェル・保護シート等 |
| 合計(概算) | 150万〜560万円 | リース活用で自己資金は圧縮可能 |
導入後の月次コストも事前に把握しておきましょう。消耗品・メンテナンス・広告費が主な項目です。
| 費用項目 | 月額目安 | 備考 |
|---|---|---|
| リース料(本体分) | 3万〜10万円 | 60回払いの場合 |
| 消耗品(ジェル・カートリッジ等) | 1万〜5万円 | 施術件数に比例 |
| メンテナンス・保守費 | 5千〜2万円 | 保守契約の有無による |
| 広告・集客費 | 2万〜10万円 | SNS運用・ポータル掲載料 |
| 合計 | 6.5万〜27万円 | 規模・機器によって変動 |
月25名の施術を行い、1施術あたりの平均単価を8,000円と設定した場合、月間売上は200,000円。ランニングコストを15万円とすると月間利益は約5万円。初期費用200万円を回収するには約40か月かかる計算ですが、コース契約(例:6回セット45,000円)を中心に販売することで単価が上がり、回収期間を18〜24か月に短縮できます。
✅ 回収を早めるための3つのポイント
⚠️ 注意点
「導入すれば自動的に儲かる」という認識は危険です。集客・スタッフ教育・メニュー設計を怠ると、機器が稼働しないまま固定費だけがかかるリスクがあります。導入前に「月何件の施術が見込めるか」を冷静にシミュレーションしてください。
整骨院への脱毛器導入で最も慎重に対応すべきなのが法的な問題です。「医療行為」と「美容行為」の境界線を正確に理解した上で、適法な範囲で運用することが絶対条件です。ここでは整骨院オーナーが必ず確認すべき法規制を整理します。
レーザー脱毛(ダイオードレーザー・アレキサンドライトレーザー等)は、2001年の厚生労働省通達により「医行為」と位置付けられており、医師でなければ実施できません。一方、業務用のIPL・SHR方式による光脱毛は「美容行為」として扱われており、医師免許がなくても施術可能です。ただし、使用する機器が薬機法上の「医療機器」に該当する場合は、別途許可が必要になるケースがあります。
柔道整復師の免許では、脱毛施術を「柔道整復」として行う根拠はありません。つまり、整骨院が脱毛メニューを提供する場合は、整骨院(柔道整復業)の付随業務ではなく、別途「美容業」として扱われる可能性があります。自治体によって解釈が異なるため、保健所や行政への事前確認が必須です。
都道府県によっては、脱毛施術を行う場合に「美容所登録」が必要とされるケースがあります。美容所登録には、施術室の広さ・換気・採光などの衛生基準を満たす必要があります。整骨院の既存スペースをそのまま使えるかどうかは、各都道府県の条例・規則によって異なります。
| 脱毛方式 | 必要な資格・許可 | 整骨院での実施 | 確認先 |
|---|---|---|---|
| 医療レーザー脱毛 | 医師免許・医療機関開設 | ✕ 不可 | 厚生労働省・都道府県 |
| 業務用IPL/SHR脱毛 | 特定資格不要(美容所登録が必要な場合あり) | ◎ 可能(要確認) | 都道府県・保健所 |
| ニードル(針)脱毛 | 医師免許(医行為) | ✕ 不可 | 厚生労働省 |
| 家庭用フラッシュ脱毛器(業務利用) | 薬機法上問題あり | ✕ 推奨しない | 厚生労働省・製造販売業者 |
脱毛施術にはやけど・色素沈着・肌トラブルなどのリスクが伴います。整骨院として加入している賠償責任保険が「美容サービス」まで補償対象に含まれているかどうかを必ず確認し、不足する場合は美容業向けの賠償責任保険に追加加入することを強く推奨します。保険料の目安は年間2万〜10万円程度です。
✅ 法的リスクを最小化するための手順
⚠️ 重要な注意点
「他院がやっているから大丈夫」という判断は危険です。法的解釈は自治体によって異なり、指導・営業停止のリスクもゼロではありません。必ず専門家(行政書士・弁護士)への相談と、管轄保健所への事前確認を行ってください。

脱毛器を導入しただけでは売上は上がりません。機器の稼働率を高めるための集客・メニュー・運用の仕組みを同時に構築することが、投資回収を早める最大のポイントです。
整骨院の最大の強みは「既存の来院患者」というリソースです。定期来院している患者に対して、施術の合間や会計時にさりげなく脱毛メニューを紹介することで、広告費をかけずに初回予約を獲得できます。具体的には、「お試し1部位980円」などの低価格体験メニューを設定し、体験から継続コースへ誘導するフローを設計します。
脱毛メニューは「単発」よりも「コース」販売を軸にすることで、安定した売上と顧客の継続率向上を実現できます。コース設計の基本は、「部位ごと×回数×性別(男女)」の組み合わせです。
| メニュー | 回数 | 単発価格 | コース価格 | ターゲット |
|---|---|---|---|---|
| ワキ(女性) | 6回 | 3,500円/回 | 18,000円 | 20〜40代女性 |
| ひげ(男性) | 8回 | 5,000円/回 | 32,000円 | 20〜50代男性 |
| 脚全体(女性) | 6回 | 8,000円/回 | 42,000円 | 20〜40代女性 |
| 全身脱毛(女性) | 6回 | 15,000円/回 | 72,000円 | 30〜50代女性 |
| お試し(1部位) | 1回 | 980円 | — | 新規顧客獲得用 |
整骨院の脱毛メニューを地域で認知させるには、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の最適化が最も費用対効果の高い施策です。「〇〇市 整骨院 脱毛」「〇〇駅 メンズ脱毛」などのキーワードでの上位表示を狙いましょう。また、InstagramやTikTokでの施術動画・ビフォーアフター投稿(顔出し不要)は拡散力が高く、地域外からの集客にも効果的です。
脱毛施術のクオリティを安定させるためには、マニュアル整備とロールプレイング研修が欠かせません。メーカー主催の研修を受講するだけでなく、院内での技術チェックシートを作成し、定期的に施術品質を確認する仕組みを作ることが重要です。品質のばらつきは口コミ評価の低下に直結します。
✅ 稼働率を上げるための具体的施策
⚠️ 注意点
脱毛施術を整骨院の保険診療と一緒に宣伝すると、保険診療への不正請求と誤解されるリスクがあります。広告・HP上では「自費メニュー」として明確に区別し、保険適用の施術とは完全に分けた表現を徹底してください。また、「永久脱毛」という表現は医療機関以外では使用できません。
実際に脱毛器を導入した整骨院の事例を成功・失敗の両面から見ることで、リアルな導入判断に役立ててください。
神奈川県の整骨院A院では、1台150万円のSHR方式脱毛器を導入。導入翌月から既存患者への院内声がけと院内POPを設置したところ、1か月目で15件の体験申込があり、うち8件がコース契約に移行。3か月目には月30件の施術を達成し、月間脱毛売上は約22万円に到達。導入から14か月で初期費用を回収しました。
宮城県の整骨院B院では、患者層が30〜50代男性中心であることに着目し、「メンズひげ・全身脱毛」に特化したメニューを展開。地域に専門の男性脱毛サロンがなかったため、Googleマップで「〇〇市 メンズ脱毛」検索1位を獲得。口コミ数が6か月で40件増加し、新規患者の35%が脱毛目的での来院となりました。
大阪府の整骨院C院では、250万円の脱毛器を導入したものの、集客施策を何も打たずにいたため、導入後3か月の月間施術数は平均5件以下。ランニングコストが売上を上回る状態が続き、1年後に機器の運用を停止。導入費用のほとんどが回収できない結果となりました。
愛知県の整骨院D院では、メーカー研修を受けずに施術を開始したところ、照射出力の設定ミスにより複数の患者に軽度のやけどが発生。クレーム対応と補償費用が発生し、脱毛メニューの一時停止を余儀なくされました。再開後は研修体制を整え、マニュアルを整備した上で運用を再スタートしています。
✅ 成功に共通する3要素
⚠️ 失敗を避けるためのチェックポイント

整骨院への脱毛器導入を検討する際に寄せられる、代表的な疑問と回答をまとめました。
整骨院への脱毛器導入は、適切に実行すれば売上アップ・新規顧客獲得・競合差別化を同時に実現できる有力な戦略です。しかし、機器を購入するだけで自動的に収益が上がるわけではありません。本記事で解説した内容を改めて整理すると、成功のポイントは以下の5点に集約されます。
「準備が8割」という言葉が最もふさわしい施策が、整骨院への脱毛器導入です。この記事を参考に、ぜひ自院に合った導入計画を立ててみてください。ご不明な点があれば、まずはメーカーへの無料相談と、管轄保健所への問い合わせから始めることをお勧めします。