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相続・資産活用

相続対策は何から始める?優先順位と手順を徹底解説

📅 2026年07月19日⏱ 約9分✍ 編集部

「親が高齢になってきたけれど、相続対策って何から手をつければいいのかわからない」「いざ相続が発生してから慌てたくない」——そんな不安を抱えている方は非常に多いです。実は相続対策を何も講じないまま亡くなると、家族間でトラブルが生じたり、想定外の相続税が発生したりするケースが後を絶ちません。この記事では、相続対策を始めるにあたって最初にやるべきことを、具体的な数値・手順・実例とともにわかりやすく解説します。今すぐできる第一歩から、専門家に相談するタイミングまで、順を追って確認していきましょう。

目次

  1. 相続対策とは?まず全体像を把握しよう
  2. STEP1:財産の棚卸しから始める(現状把握)
  3. STEP2:相続税がかかるか試算する
  4. STEP3:遺産分割トラブルを防ぐ対策
  5. STEP4:生前贈与・節税対策の具体的な手法
  6. STEP5:専門家への相談タイミングと費用相場
  7. よくある質問(FAQ)

相続対策とは?まず全体像を把握しよう

相続対策とは、被相続人(亡くなる方)の財産を次世代へスムーズに引き継ぐために、生前から行う一連の準備のことです。大きく分けると「①遺産分割対策」「②節税(相続税)対策」「③納税資金の確保」という3つの柱があります。多くの方が「相続税を減らすこと」だけを目的と誤解しがちですが、実際には家族間の争いを防ぐ遺産分割対策のほうが、より多くの家庭に直結する重要課題です。

相続対策の3つの柱

相続対策を体系的に理解するために、3つの柱を整理します。どれか1つだけ対策しても不十分であり、バランスよく取り組むことが大切です。

対策の柱 主な内容 対象となる家庭
①遺産分割対策 遺言書の作成・家族信託の設定 不動産を持つ家庭・子が複数いる家庭
②節税(相続税)対策 生前贈与・生命保険の活用・小規模宅地等の特例 相続税の基礎控除を超える資産がある家庭
③納税資金の確保 生命保険・不動産の売却計画 現金が少なく不動産に偏った資産構成の家庭

相続対策が必要な人・不要な人の分かれ目

「うちには大した財産はないから関係ない」と思っている方も多いですが、相続対策は富裕層だけのものではありません。2024年現在、相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。たとえば法定相続人が2人なら4,200万円が基礎控除となります。この金額を超える財産がある場合、相続税の申告・納税義務が生じます。また、財産が基礎控除以下であっても、遺産分割トラブルは財産が少ない家庭のほうが発生しやすいというデータもあります。

相続対策を始めるベストなタイミング

相続対策は「早ければ早いほど効果が高い」のが原則です。特に生前贈与は年間110万円の基礎控除を活用するため、長期間にわたって行うほど節税効果が大きくなります。目安として、被相続人となる親が60歳を迎えたタイミングで一度整理することをおすすめします。また、2024年から相続税・贈与税の税制改正が段階的に施行されており、生前贈与の加算期間が従来の3年から7年に延長されています(2031年以降は完全適用)。早期に着手することが一層重要になっています。

✅ メリット:相続対策を早期に始めることで、生前贈与の非課税枠を最大限に活用でき、長期的に相続財産を圧縮できます。また、遺言書を事前に作成しておくことで、家族間の争いを未然に防げます。

⚠️ 注意:相続対策は「とりあえず節税」だけを目的にすると、かえって家族間のトラブルや納税資金不足につながることがあります。全体のバランスを見ながら計画的に進めましょう。

STEP1:財産の棚卸しから始める(現状把握)

相続対策の最初のステップは、「今どれだけの財産があるか」を正確に把握することです。この作業を「財産の棚卸し」といいます。財産の全体像が見えないまま対策を立てても、的外れな節税策を取ったり、遺産分割でもめたりする原因になります。まずは財産リストを作ることから始めましょう。

財産の種類と把握方法

相続財産は「プラスの財産」と「マイナスの財産(負債)」に分かれます。プラスの財産には不動産・預貯金・有価証券・生命保険・車・貴金属などが含まれます。マイナスの財産には住宅ローン・カードローン・未払い税金などがあります。それぞれの把握方法は以下の通りです。

財産の種類 主な確認先 評価方法のポイント
不動産(土地・建物) 固定資産税の納税通知書・登記簿謄本 路線価(国税庁)または固定資産税評価額で評価
預貯金 通帳・銀行残高証明書 死亡日時点の残高が相続財産
有価証券(株式・投資信託) 証券会社の残高報告書 死亡日の終値または月平均終値
生命保険 保険証券・保険会社 被相続人が保険料負担者かどうかで課税関係が変わる
負債(ローン等) 金融機関・クレジット会社 残債全額がマイナス財産として控除可能

財産目録の作り方(具体的な手順)

財産目録を作成する際は、エクセルや市販のノートを活用する方法が簡単です。以下の手順で進めましょう。

  1. 不動産の洗い出し:固定資産税の納税通知書に記載されているすべての物件を一覧化する。
  2. 金融機関口座の整理:利用中の全銀行口座・証券口座を一覧化し、残高を記録する。
  3. 保険証券の確認:生命保険・損害保険の契約一覧を作成し、受取人・保険金額を記載する。
  4. 負債の確認:住宅ローン残高・カードローン・保証債務などを一覧化する。
  5. 合計額の試算:プラス財産の合計からマイナス財産を引いて「純資産額」を計算する。

「隠れ財産」に注意——見落としやすい財産リスト

財産の棚卸しで見落とされがちなものが「隠れ財産」です。たとえば、古い証書預金・タンス預金・海外口座・ゴルフ会員権・著作権・貸付金・未収家賃などが該当します。これらを把握していないと、申告漏れとなり後から延滞税・加算税が発生するリスクがあります。特に税務署は金融機関へのKSK(国税総合管理システム)照会により、口座情報を高精度で把握しているため、「ばれないだろう」という考えは禁物です。

✅ メリット:財産目録を生前に作成しておくと、相続発生後の遺産分割協議がスムーズになります。また、家族全員で財産の全体像を共有できるため、「知らなかった財産」をめぐる争いを防げます。

⚠️ 注意:財産目録は定期的に更新することが重要です。不動産の購入・売却、口座の開設・解約があるたびに更新しましょう。古い情報のまま放置すると、実際の財産額と大きくかい離することがあります。

STEP2:相続税がかかるか試算する

財産の棚卸しが終わったら、次は「相続税がかかるかどうか」を試算します。相続税の申告・納税が必要なケースは全死亡者の約9〜10%程度(国税庁統計より)ですが、都市部の不動産保有者は特に注意が必要です。自分で簡易試算を行い、申告が必要かどうかを早期に把握することが対策の第一歩です。

相続税の基礎控除額の計算方法

相続税には「基礎控除」があり、この金額以下であれば相続税はかかりません。計算式は以下の通りです。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人の数 基礎控除額 相続税がかかる目安(財産総額)
1人 3,600万円 3,600万円超
2人 4,200万円 4,200万円超
3人 4,800万円 4,800万円超
4人 5,400万円 5,400万円超

相続税の税率と速算表

相続税は累進課税制度を採用しており、課税遺産総額が多いほど税率が高くなります。各相続人が法定相続分で取得したと仮定した場合の「法定相続分に応ずる取得金額」に対して税率をかけます。

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% なし
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

主な特例・控除で大きく変わる実際の税額

相続税には様々な特例・控除があり、活用することで実際の納税額を大幅に減らせます。代表的なものを以下に示します。

たとえば、自宅(土地評価額5,000万円・200㎡)を同居の子が相続する場合、小規模宅地等の特例を適用すると評価額が5,000万円×(1-80%)=1,000万円に圧縮されます。この1つの特例だけで4,000万円も評価が下がるため、相続税対策において非常に重要です。

✅ メリット:小規模宅地等の特例を活用すれば、自宅の土地の評価額を最大80%圧縮できます。この特例は要件を満たせばほぼ必ず適用すべき「最強の相続税対策」の1つです。事前に同居・申告手続きを準備しておきましょう。

⚠️ 注意:配偶者の税額軽減は非常に有利ですが、二次相続(配偶者が亡くなった際の相続)まで含めて試算しないと、かえって総合的な税負担が増えることがあります。一次相続だけで最適化すると危険です。必ず二次相続シミュレーションも合わせて行いましょう。

STEP3:遺産分割トラブルを防ぐ対策

相続問題の中で最も多く発生するのが「遺産分割トラブル」です。司法統計によると、家庭裁判所に持ち込まれる遺産分割審判・調停事件のうち、財産総額が5,000万円以下の事案が全体の約75%を占めています。「うちは財産が少ないから大丈夫」は大きな誤解です。遺産分割トラブルを防ぐための最強の手段が「遺言書の作成」と「家族信託」です。

遺言書の種類と選び方

遺言書には主に3種類があります。それぞれの特徴を比較します。

種類 作成方法 費用目安 メリット・デメリット
自筆証書遺言 全文・日付・氏名・押印を自書 ほぼ無料(法務局保管は3,900円) 簡単に作れるが、形式不備で無効になるリスクあり
公正証書遺言 公証人が作成・公証役場で保管 財産額により異なる(目安:5〜10万円) 法的に最も安全・家庭裁判所の検認不要
秘密証書遺言 自分で作成し公証人に証明させる 約1.1万円 内容は秘密にできるが実務ではほぼ使われない

一般的には公正証書遺言が最もおすすめです。公証人が法律的な有効性を確認したうえで作成するため、形式不備による無効リスクがなく、相続発生後に家庭裁判所での検認手続きも不要です。費用は財産総額によって異なりますが、財産1億円の場合の公証人手数料は約5〜7万円程度です。これで家族間の争いを防げるなら、十分に安い「保険」といえます。

遺言書に書くべき内容・書き方のポイント

遺言書に書く内容が不明確だと、かえってトラブルの原因になります。以下の項目を盛り込むことが重要です。

家族信託(民事信託)の活用

遺言書だけでは対応できないケース——例えば認知症になった場合の財産管理——に有効なのが「家族信託」です。家族信託とは、財産を信頼できる家族(受託者)に預け、管理・運用を任せる仕組みです。2007年の信託法改正で一般に広まり、近年急速に利用が増えています。

たとえば、認知症になった親(委託者)の不動産管理や家賃収入の管理を子(受託者)が代わりに行えるよう、あらかじめ家族信託契約を締結しておくことができます。成年後見制度と異なり、家庭裁判所の監督が不要で、柔軟な財産管理が可能です。設定費用は弁護士・司法書士への報酬込みで50〜150万円程度が相場です。

✅ メリット:公正証書遺言を作成しておくことで、相続発生後の手続きが大幅にスムーズになります。特に、「長男に自宅を、次男には金融資産を」というように具体的に指定しておくと、遺産分割協議が不要になり、家族の精神的・時間的負担を大きく減らせます。

⚠️ 注意:遺言書で特定の相続人に財産を集中させる場合、他の相続人の「遺留分」を侵害する恐れがあります。法定相続人には最低限もらえる権利(遺留分)があり、侵害した場合は「遺留分侵害額請求」を受けます。遺言作成前に必ず遺留分の計算を行いましょう。

STEP4:生前贈与・節税対策の具体的な手法

財産の棚卸し・相続税の試算・遺産分割対策が整ったら、いよいよ具体的な節税対策に取り組みます。相続税対策の中心となるのが「生前贈与」ですが、2024年以降の税制改正により、ルールが大きく変わっています。最新の制度を正確に理解したうえで活用しましょう。

暦年贈与(年間110万円の非課税枠)の活用

最も基本的な生前贈与の方法が「暦年贈与」です。1人あたり年間110万円まで贈与税が非課税となります。ただし、2024年の税制改正により、相続開始前の贈与が相続財産に加算される期間が「3年」から「7年」に延長されました(2027年以降の相続から段階的に適用、2031年以降は完全適用)。

たとえば、親が子・孫に毎年110万円ずつ贈与した場合、10年間で1,100万円を相続財産から切り離せます(加算期間を除く)。子と孫2人の合計3人に贈与すれば、10年間で最大3,300万円の圧縮効果があります。

教育資金・結婚子育て資金・住宅取得資金の特例贈与

暦年贈与以外にも、目的別の非課税贈与制度があります。

特例の種類 非課税限度額 適用期限(予定) 主な要件
教育資金一括贈与の特例 1,500万円(学校等以外は500万円) 2026年3月31日まで 受贈者が30歳未満・金融機関経由
結婚・子育て資金一括贈与の特例 1,000万円(結婚費用は300万円) 2025年3月31日まで 受贈者が18〜50歳未満・金融機関経由
住宅取得等資金贈与の特例 500万円(省エネ等住宅は1,000万円) 2026年12月31日まで 受贈者が18歳以上・住宅購入・新築・増改築等

生命保険を使った節税・納税資金確保の方法

生命保険は相続対策の中でも非常に使い勝手のよいツールです。理由は2つあります。

①非課税枠が使える:死亡保険金は「500万円×法定相続人の数」まで相続税が非課税になります。たとえば法定相続人が3人なら1,500万円まで非課税です。

②納税資金として使いやすい:相続財産の多くが不動産の場合、現金が足りず相続税が払えないケースがあります。生命保険の死亡保険金は、受取人固有の財産として遺産分割の対象外となり、速やかに現金として受け取れます。

実例として、70歳の父親が一時払い終身保険に2,000万円を払い込むケースを考えます。法定相続人が子2人の場合、非課税枠は1,000万円。残り1,000万円に対して相続税(仮に15%)がかかるとしても、生命保険にしなければ2,000万円全額に課税されるため、節税額は約150万円(1,000万円×15%)になります。

相続時精算課税制度の改正ポイント(2024年以降)

「相続時精算課税制度」とは、60歳以上の親・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与に適用できる制度で、累計2,500万円まで贈与税が非課税(超えた分は一律20%)となり、相続時に精算する仕組みです。2024年の改正で、毎年110万円の基礎控除が新たに設けられました。この110万円は相続財産への加算対象外となるため、暦年贈与と組み合わせた戦略が有効です。

✅ メリット:生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人の数)は、毎年の申告なしに活用できる非常に有利な制度です。特に不動産中心の資産構成で現金が少ない家庭では、納税資金を確保する手段として積極的に活用すべきです。

⚠️ 注意:「定期贈与」とみなされると、贈与税が一括で課税されます。毎年同じ金額を決まったタイミングで贈与し続けると「はじめから一定額を贈与する契約があった」と税務署に認定されるリスクがあります。贈与のたびに贈与契約書を作成し、金額・時期を毎年変えるなどの工夫が必要です。

STEP5:専門家への相談タイミングと費用相場

相続対策は自分でできる部分と、専門家に任せるべき部分があります。「専門家に頼むと高そう」という先入観を持つ方も多いですが、適切なタイミングで相談することで、節税効果やトラブル回避という形でコスト以上のリターンが得られることがほとんどです。

相談すべき専門家の種類と役割

相続に関わる専門家は複数おり、それぞれ得意分野が異なります。

専門家 主な業務 相談費用の目安
税理士(相続専門) 相続税申告・節税対策・財産評価 相続税申告:財産総額の0.5〜1.0%程度(最低20〜30万円)
司法書士 遺言書作成支援・不動産登記・家族信託 遺言書作成:10〜30万円程度/不動産登記:5〜15万円程度
弁護士 遺産分割調停・紛争解決・遺言書作成 相談料:5,000〜1万円/時間・着手金:20〜50万円〜
行政書士 遺言書作成支援・相続手続き書類作成 遺言書作成支援:5〜15万円程度
FP(ファイナンシャルプランナー) 資産全体の相続対策プランニング 相談料:5,000〜2万円/時間(有料相談の場合)

専門家に相談する前に準備しておくべきこと

専門家に相談する際、事前に以下を準備しておくと相談時間を有効に使えます。

初回無料相談を活用しよう

多くの税理士事務所・司法書士事務所では、初回30〜60分の無料相談を提供しています。まずは無料相談を活用し、「自分のケースでどんな対策が有効か」の方向性を掴むことをおすすめします。ただし、相続税申告の経験が少ない税理士に依頼すると、適用できる特例を見落とす可能性があります。相続税申告件数・相続専門の実績を確認したうえで依頼先を選びましょう。

✅ メリット:相続専門の税理士に依頼することで、小規模宅地等の特例・配偶者控除・その他評価減を最大限活用した節税申告が可能になります。税理士報酬以上の節税効果が得られるケースも多く、早期相談が最大のコスパ対策といえます。

⚠️ 注意:相続税の申告期限は「被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内」です。この期限を過ぎると延滞税・無申告加算税が発生します。相続が発生したら、できるだけ早く専門家に連絡し、スケジュールを確認しましょう。

よくある質問(FAQ)

相続対策を始めようとしている方からよく寄せられる質問にお答えします。

Q. 相続対策は何歳から始めるべきですか?
A. 被相続人となる方が60歳を目安に始めることをおすすめします。生前贈与は時間をかけるほど効果が高まるため、早期着手が最大の節税策です。2024年の税制改正で生前贈与の加算期間が7年に延長されたことからも、相続発生の7年以上前から計画的に贈与を行うことが理想的です。また、認知症になってしまうと遺言書の作成や家族信託の締結ができなくなるため、健康なうちに手続きを済ませることが重要です。
Q. 財産が少なくても相続対策は必要ですか?
A. はい、必要です。相続トラブルの約75%は財産総額5,000万円以下の家庭で発生しています(司法統計より)。財産が少ない場合でも、不動産(実家)の扱いや預貯金の分け方について兄弟間で意見が割れることは非常に多いです。遺言書を作成しておくだけで、多くのトラブルを未然に防ぐことができます。相続税対策が不要であっても、遺産分割対策だけは必ず行いましょう。
Q. 生前贈与をすれば必ず節税になりますか?
A. 必ずしもそうとはいえません。2024年の税制改正により、相続開始前7年以内の贈与は相続財産に加算されます(2031年以降完全適用)。また、相続時精算課税制度を選択した場合は原則として全額が相続財産に組み戻されます(2024年以降の年間110万円の基礎控除分を除く)。さらに、贈与のやり方が「定期贈与」とみなされると一括で贈与税が課税されるリスクもあります。生前贈与は税理士と相談しながら計画的に行うことが大切です。
Q. 遺言書はどこで作ればよいですか?費用はどれくらいかかりますか?
A. 最も安全・確実な方法は「公正証書遺言」で、全国の公証役場で作成できます。費用は財産総額によって異なりますが、財産5,000万円の場合で公証人手数料は約4〜5万円程度です。なお、弁護士や司法書士に原案作成を依頼する場合は別途10〜30万円程度の報酬がかかります。「自筆証書遺言」であれば費用はほぼゼロですが、形式不備で無効になるリスクがあるため、法務局の「遺言書保管制度」(手数料3,900円)を利用することをおすすめします。
Q. 親が認知症になってしまった後でも相続対策はできますか?
A. 認知症の程度によって異なりますが、原則として判断能力が失われると遺言書の作成・生前贈与・家族信託の締結はできなくなります。認知症になった後にできる対策としては「法定後見制度(成年後見人の選任)」がありますが、この場合は家庭裁判所の監督下に置かれ、相続対策目的の財産移転は認められないケースがほとんどです。そのため、認知症になる前に家族信託を設定しておくことが非常に重要です。すでに軽度の認知症の場合でも、医師の診断書を取得したうえで公正証書遺言・家族信託の締結を急ぐことを検討してください。
Q. 相続税の申告は自分でできますか?
A. 法律上は本人申告も可能ですが、相続税申告は非常に複雑であり、専門家への依頼を強くおすすめします。不動産評価の方法・小規模宅地等の特例の適用・各種控除の計算など、専門的な知識が必要な項目が多く、自己申告では適用できる特例を見落としてしまうケースが多いです。相続税は過少申告した場合に「延滞税」や「過少申告加算税」が発生するリスクもあります。少なくとも一度は相続税専門の税理士に相談することをおすすめします。初回無料相談を行っている事務所も多くあります。

まとめ:相続対策は「今すぐ始める」ことが最大の対策

この記事では、「相続対策 何から始める」という疑問に対して、5つのステップで具体的な手順を解説しました。改めて要点を整理します。

相続対策において最も重要なのは「早期着手」です。生前贈与の効果は時間に比例して大きくなり、認知症などで意思能力を失う前に手続きを済ませることが全ての前提となります。「まだ早い」と思っているうちに対策できるタイミングを逃してしまうケースが非常に多いです。

まずは今日から財産の棚卸しを始め、家族で相続について話し合う時間を設けましょう。そのうえで、相続専門の税理士や司法書士に初回無料相談を申し込むことが、最初の具体的な行動として最もおすすめです。

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