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健康経営

健康経営に役立つ福利厚生サービスおすすめ15選

📅 2026年06月16日⏱ 約9分✍ 編集部

「福利厚生を充実させたいけど、何から始めればいいかわからない」「健康経営に取り組みたいが、コストと効果のバランスが見えない」――そんな悩みを抱える人事担当者や経営者は少なくありません。従業員の健康を守ることは、離職率の低下・生産性向上・採用競争力強化につながる最重要テーマです。本記事では、健康経営に効く福利厚生のおすすめ施策を、相場・導入手順・実例つきで徹底解説します。

目次

  1. 健康経営と福利厚生の関係を正しく理解する
  2. 健康経営に効く福利厚生おすすめ施策【身体的健康編】
  3. 健康経営に効く福利厚生おすすめ施策【メンタルヘルス編】
  4. 健康経営に効く福利厚生おすすめ施策【ライフスタイル支援編】
  5. 導入コストと費用対効果:相場と比較
  6. 健康経営優良法人認定を取るための福利厚生整備ロードマップ
  7. よくある質問(FAQ)

健康経営に取り組む明るいオフィスで笑顔の社員

健康経営と福利厚生の関係を正しく理解する

健康経営とは、従業員の健康管理を経営戦略の一環として位置づけ、組織の生産性・活力・持続可能性を高める考え方です。経済産業省が推進する「健康経営優良法人認定制度」をはじめ、国を挙げて推奨されているこの取り組みは、福利厚生の拡充と密接に結びついています。

重要なのは、「福利厚生=コスト」という古い発想から抜け出すことです。プレゼンティーイズム(出勤しているが体調不良で生産性が落ちている状態)によるロスは、一人あたり年間約62万円にのぼるという研究結果(東京大学政策ビジョン研究センター)があります。健康投資は「先行コスト」ではなく「生産性向上への投資」です。

健康経営が注目される背景と社会的意義

少子高齢化が進む日本では、労働力人口の確保と既存従業員の健康維持が企業の喫緊の課題となっています。厚生労働省の調査では、メンタルヘルス不調による休職者を抱える企業が全体の約58%に達しており、企業規模を問わずリスクが顕在化しています。健康経営は単なる「いい会社」アピールではなく、経営リスクの低減策として機能します。

福利厚生が健康経営のKPIに与える影響

健康経営を推進する上で設定すべき主なKPIには、①プレゼンティーイズム率、②アブセンティーイズム(欠勤率)、③定期健診受診率、④ストレスチェック高ストレス者割合、⑤エンゲージメントスコアなどがあります。これらの指標は、施策として打ち出す福利厚生メニューと一対一で紐づけることで、PDCAを回しやすくなります。

健康経営優良法人認定の要件と福利厚生の位置づけ

健康経営優良法人認定(中小規模・大規模ともに)では、「食環境の整備」「運動機会の提供」「メンタルヘルス対策」「受動喫煙対策」「感染症予防」などが評価項目に含まれており、福利厚生の整備状況が認定スコアに直結します。2024年度の認定企業数は大規模法人部門で2,988社、中小規模法人部門で16,733社に達しており、競争優位性の源泉として活用する企業が急増しています。

✅ メリット:健康経営認定取得がもたらす競争優位

⚠️ 注意:「名ばかり健康経営」に陥らないために

健診受診率だけを上げる「数字合わせ」の施策は、従業員のエンゲージメントを逆に下げるリスクがあります。施策導入後には必ず従業員アンケートを実施し、利用率・満足度を測定することが不可欠です。

健康経営に効く福利厚生おすすめ施策【身体的健康編】

身体的な健康づくりは、健康経営の基盤です。運動習慣の定着・食事環境の改善・定期健診の充実という3本柱を中心に、具体的な施策と相場を紹介します。

スポーツジム・フィットネス利用補助

従業員がスポーツジムやフィットネスクラブを利用する際に費用を一部または全額補助する施策は、最も導入実績が多い身体的健康系福利厚生の一つです。法人向けのフィットネスサービス(例:ベネフィット・ワン、リロクラブ、LEOC Fit)を活用すれば、個別契約より大幅に安い費用で全従業員に提供できます。月額1,000〜3,000円程度の補助でも、従業員の運動習慣形成に大きく寄与します。

社内健康イベント・ウォーキング施策

社内でのウォーキングイベントや歩数計アプリを使った「歩数チャレンジ」は、初期費用が低く、全社員が参加しやすい施策です。「健康経営アプリ」(例:kencom、CARADA、パナソニックのEMEAL)を活用すると、歩数・睡眠・食事を一括管理でき、インセンティブ付与との組み合わせで継続率が高まります。導入事例では、3ヶ月で平均歩数が1,800歩/日増加した企業もあります。

健診・人間ドックの拡充補助

法定健診(年1回)に加え、人間ドックや生活習慣病予防健診の費用を会社が負担する施策です。35歳以上の従業員に人間ドック費用(3〜5万円)を補助する企業が多く、オプション検査(胃カメラ・腸カメラ・婦人科検診など)への補助も差別化ポイントとなります。健診結果をデータ化し、産業医・保健師が事後フォローを行う体制を整えると、健康経営優良法人の評価項目「保健指導の実施」にも該当します。

禁煙・受動喫煙対策の福利厚生化

禁煙外来の受診費用補助(1コース約2〜5万円を全額または50%補助)や、社内完全禁煙化と合わせた「禁煙達成インセンティブ制度」(例:商品券・追加休暇付与)は、健康経営優良法人の必須評価項目「受動喫煙対策」への対応にもなります。喫煙者の生産性ロスは年間約28万円/人ともいわれており、費用対効果が高い施策です。

✅ メリット:身体的健康施策の費用対効果

⚠️ 注意:健診補助の非課税要件を確認すること

会社が負担する人間ドック費用は、一定の条件(全従業員が利用できる・業務上必要と認められるなど)を満たさないと従業員の給与課税対象になります。導入前に顧問税理士・社労士に相談することを強く推奨します。

身体的健康系福利厚生の施策比較表
施策名 月額コスト目安(1人) 導入難易度 健康経営認定への寄与
スポーツジム補助 1,000〜3,000円 低〜中 ◎(運動機会提供)
健康アプリ導入 300〜800円 ◎(運動・食事・睡眠)
人間ドック補助 2,500〜5,000円(年換算) ◎(健診充実)
禁煙外来補助 喫煙者のみ:150〜400円 ◎(受動喫煙対策)
社内ウォーキングイベント 100〜500円 ○(運動習慣促進)

職場のウォーキングイベントに参加する社員たち

健康経営に効く福利厚生おすすめ施策【メンタルヘルス編】

身体的健康と並んで、近年最重要視されているのがメンタルヘルス対策です。厚生労働省の調査では、仕事や職業生活に強いストレスを感じている労働者は約54%にのぼります。メンタルヘルスの福利厚生は「予防」「早期発見」「復職支援」の3段階で設計することがポイントです。

EAP(従業員支援プログラム)の導入

EAP(Employee Assistance Program)は、外部の専門機関が従業員のメンタルヘルス相談・カウンセリング・復職支援を担うサービスです。従業員は匿名で電話・オンラインカウンセリングを利用でき、「会社に知られたくない」という心理的障壁を取り除けます。主要サービスの月額相場は1人あたり300〜700円程度で、100名規模の企業でも月3〜7万円から導入可能です。

代表的なEAPサービス:ヤフーEAP、マイナビEAP、アドバンテッジリスクマネジメント、ピースマインドなど。

オンラインカウンセリング・メンタルヘルスアプリ

コロナ禍以降、テレワーク環境でも利用しやすいオンラインカウンセリングが急速に普及しています。「emol」「cotree」「Unlace」などのサービスは、法人契約で月額1人500〜1,500円から導入でき、深夜や土日でも相談できる柔軟性が特徴です。アプリ型のメンタルヘルスケア(例:Awarefy、Melon)を組み合わせると、日常的なセルフケア習慣の形成にも効果的です。

ストレスチェック制度の強化と保健師活用

従業員50名以上の事業所では年1回のストレスチェック実施が法定義務ですが、義務を超えた「半期に1回の実施」「高ストレス者への積極的な面談勧奨」「集団分析結果の職場改善への活用」を行うことで、健康経営の評価が大幅に上がります。外部保健師・産業カウンセラーと連携した「ポップアップ相談会」(月1回・昼休みに30分)の開催も、利用率向上に効果的です。

ハラスメント対策・心理的安全性の確保

メンタルヘルスの根本原因の一つがハラスメントです。第三者機関による「ハラスメント相談窓口」の外部委託(月額3〜10万円)や、管理職向けの「心理的安全性研修」(1回5〜15万円)は、直接的なメンタルヘルス対策として高い効果があります。相談窓口の設置は健康経営優良法人の評価項目にも含まれています。

✅ メリット:EAP導入による離職コスト削減

⚠️ 注意:EAPの「形式的導入」に注意

EAPを導入しても、従業員への周知が不十分だと利用率が極めて低くなります。導入時には全社メールでの案内・社内イントラへの掲載・管理職からの声がけを必ず実施してください。目標利用率は年間5〜10%が一般的な指標です。

メンタルヘルス系福利厚生サービス比較
サービス種別 主な提供内容 月額目安(1人) 匿名利用
EAP(総合型) 電話・対面カウンセリング、復職支援 300〜700円
オンラインカウンセリング チャット・ビデオ面談 500〜1,500円
メンタルヘルスアプリ セルフケア、気分記録、瞑想 200〜600円
外部相談窓口 ハラスメント相談、法的相談 3〜10万円/月(固定)

健康経営に効く福利厚生おすすめ施策【ライフスタイル支援編】

働き方の多様化が進む今、「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)」を支える福利厚生も健康経営の重要な柱です。食事・睡眠・育児・介護といったライフスタイル全体を支援する施策は、従業員エンゲージメントの向上にも直結します。

社員食堂・食事補助・健康食デリバリー

食環境の整備は、健康経営優良法人の評価項目「食生活の改善に向けた取り組み」に該当します。社員食堂の設置が難しい中小企業には、「オフィスファミマ」「ナチュラルローソン無人コンビニ」「SRNK(サラヤ)」などの置き型健康スナック・コンビニサービスが有効です。月額1人500〜1,500円の補助で導入でき、昼食の栄養バランス改善に寄与します。

また、テレワーク中の食事補助として「チケットレストラン(グルメチェック)」「スマートランチ」「OFFICE DE YASAI」などのサービスは、テレワーク従業員にも公平に適用できる現代的な選択肢です。

睡眠改善・休養促進プログラム

日本人の約30%が慢性的な睡眠不足を抱えており、睡眠負債による経済的損失は年間15兆円にのぼると試算されています(ランド研究所)。睡眠改善プログラムの福利厚生化として、①睡眠改善ウェアラブルの貸与(Fitbit、Garminなど)、②睡眠コーチングアプリの法人導入(Resm、SleepCycle法人版)、③昼寝推奨制度(パワーナップ:15〜20分の仮眠)の制度化などが有効です。Google・NikeなどのグローバルIT企業では昼寝スペースの設置が標準化されており、国内でもオカムラ・コクヨなどがオフィス向け仮眠ポッドを提供しています。

育児・介護との両立支援

育児や介護によるストレスは、メンタルヘルス不調の大きな要因の一つです。法定義務を超えた「ベビーシッター補助」(月2〜5万円)、「介護休暇の特別付与」(法定5日に加え10日追加付与)、「介護相談サービスの導入」(月額1人100〜300円)は、特に30〜50代社員のエンゲージメント維持に効果的です。政府の「ベビーシッター派遣事業割引券」を活用すれば、企業負担を大幅に抑えることができます。

フレックス・テレワーク等の働き方改善施策

健康経営の観点から、「働きすぎ」を防ぐ仕組みも重要な福利厚生です。フレックスタイム制(コアタイムなし・フルフレックス)、勤務間インターバル制度(11時間以上の休息確保)、ワーケーション制度(業務と休暇の組み合わせ)は、従業員の身体的・精神的負荷を軽減します。これらの制度を導入した企業では、従業員満足度が平均15〜20ポイント向上したという調査結果もあります。

✅ メリット:食事補助・ライフスタイル支援の節税効果

⚠️ 注意:「使われない福利厚生」の落とし穴

豪華な福利厚生メニューを用意しても、従業員のニーズと合わなければ利用率が一桁台にとどまることがあります。導入前に従業員アンケートで「欲しい福利厚生ランキング」を調査することを必ず実施してください。調査なしの導入は、予算の無駄遣いになるリスクがあります。

オフィスのキッチンで準備される健康的な社員食事

導入コストと費用対効果:相場と比較

健康経営に向けた福利厚生を導入する際、最も気になるのがコストです。ここでは企業規模別・施策カテゴリ別の相場と、費用対効果の考え方を整理します。

企業規模別の福利厚生投資額の目安

一般的な企業の福利厚生費(法定外)は1人あたり月額5,000〜30,000円程度です。健康経営に特化した場合、以下のような投資水準が一般的です。

企業規模別・健康経営福利厚生投資額の目安
企業規模 月額総額目安 1人あたり月額目安 おすすめ施策の優先度
スタートアップ(〜30名) 5〜15万円/月 2,000〜5,000円 健康アプリ・EAP・健診補助
中小企業(30〜300名) 30〜200万円/月 5,000〜15,000円 上記+ジム補助・食事補助・EAP
中堅・大企業(300名〜) 300万円〜/月 10,000〜30,000円 全施策+保健師配置・カフェテリア

ROI(投資対効果)の試算方法

健康経営ROIは「(医療費削減額+生産性向上額+離職コスト削減額)÷ 健康投資総額」で算出します。米国の研究では、健康経営への1ドルの投資に対し、医療費で3.27ドル、欠勤コストで2.73ドルのリターンがあるという meta-analysis の結果があります(Baicker et al., 2010)。日本でも経済産業省の試算では、健康投資1万円あたり3〜5万円の経済的便益が期待できるとされています。

カフェテリアプラン vs 一律支給:コスト効率の比較

多様な従業員ニーズに応えるための「カフェテリアプラン(選択型福利厚生)」は、一律支給と比べて従業員満足度が高く、利用率も向上します。ただし、管理コスト(システム費用:月額1人200〜500円)が発生するため、従業員100名以上の企業で導入効果が顕著です。

カフェテリアプラン vs 一律支給の比較
比較項目 カフェテリアプラン 一律支給
従業員満足度 高い(ニーズに合わせ選択可) 中(使わない施策はムダ感)
管理コスト 中〜高(システム費用必要)
適正規模 100名以上で費用対効果◎ 50名以下で運用しやすい
健康経営評価 ◎(従業員ニーズ把握が明確化) ○(施策内容次第)
税務処理の複雑さ やや複雑(メニュー毎に確認要) シンプル
✅ メリット:補助金・助成金の活用でコストをさらに削減

⚠️ 注意:助成金は「事前申請」が原則

多くの助成金・補助金は、施策を実施する前に申請することが要件です。「導入してから申請しようとしたら対象外だった」というケースが多いため、必ず事前に要件を確認し、社労士に相談した上で申請手続きを進めてください。

健康経営優良法人認定を取るための福利厚生整備ロードマップ

ここでは、健康経営優良法人(中小規模法人部門:「ブライト500」含む)の認定取得を目指す企業向けに、福利厚生整備のステップを具体的に解説します。認定の申請期間は毎年8〜10月頃(翌年3月認定)のため、逆算して準備を進めることが重要です。

ステップ1:現状分析と課題の可視化(0〜3ヶ月)

まず、自社の健康課題を数値で把握することから始めます。具体的には以下の調査を実施します。

これらのデータをもとに、優先度の高い健康課題(運動不足・メンタルヘルス・肥満・睡眠不足など)を特定します。

ステップ2:施策の優先順位付けと予算設定(3〜6ヶ月)

課題に対応した施策を選定し、認定要件とのマッピングを行います。健康経営優良法人(中小)の評価項目は大きく「経営理念・方針」「組織・体制」「制度・施策実行」「評価・改善」「法令遵守・リスクマネジメント」の5カテゴリに分かれており、施策は主に「制度・施策実行」に該当します。

予算設定の目安は、1人あたり月額3,000〜10,000円から始めることをお勧めします。スモールスタートで効果を確認しながら拡張するアプローチが、コスト管理と従業員への定着の両面で有効です。

ステップ3:施策の導入と周知(6〜9ヶ月)

施策を導入したら、以下のKPIを設定し、四半期ごとにモニタリングします。

周知には、社内報・スラック/チャットツールでの定期発信・管理職からの声がけ・利用者の声の共有(社内事例紹介)などを組み合わせることが効果的です。

ステップ4:申請・改善のPDCAサイクル(9〜12ヶ月)

申請書類の作成は、経済産業省の「健康経営優良法人認定申請書(中小規模法人部門)」のフォーマットに沿って行います。主なポイントは以下の通りです。

✅ メリット:ロードマップに沿った認定取得のメリット

⚠️ 注意:認定は「通過点」であり「ゴール」ではない

健康経営優良法人認定を取得することは重要ですが、それ自体が目的になると「申請のための施策」になりがちです。認定取得後も従業員の健康状態・エンゲージメントデータを継続的にモニタリングし、施策をアップデートし続けることが、本当の意味での健康経営の実現につながります。

健康経営優良法人認定取得ロードマップ(12ヶ月スケジュール)
フェーズ 期間目安 主なアクション 完了目標
現状分析 1〜3ヶ月目 アンケート・健診データ分析・課題抽出 健康課題の優先度マップ作成
計画策定 3〜6ヶ月目 施策選定・予算設定・KPI設定 健康経営推進計画書の策定
施策実行 6〜9ヶ月目 福利厚生導入・全社周知・管理職研修 利用率・KPI第1四半期確認
評価・申請準備 9〜12ヶ月目 中間評価・申請書類作成・8〜10月申請 翌年3月の認定取得

健康経営の書類とグラフを確認する人事担当者

よくある質問(FAQ)

健康経営と福利厚生に関して、人事担当者や経営者からよく寄せられる質問をまとめました。

Q. 従業員50名以下の小規模企業でも健康経営に取り組めますか?
A. はい、取り組めます。健康経営優良法人認定には「中小規模法人部門」(資本金3億円以下または従業員300名以下が目安)があり、小規模企業でも認定取得が可能です。50名以下であればストレスチェックの実施義務はありませんが、任意で実施することで評価が高まります。月額1人3,000〜5,000円程度の予算からでも、健康アプリ・EAP・健診補助の3点セットで取り組みをスタートできます。まずは経済産業省が提供している「健康経営優良法人認定制度 自己チェックシート」で自社の現状を確認するところから始めましょう。
Q. 健康経営のための福利厚生費用は全額損金算入できますか?
A. 基本的に、全従業員が利用できる福利厚生費は法人の損金として算入できます。ただし、一部の役員や特定の従業員のみを対象とした場合は給与課税の対象になる可能性があります。また、食事補助については「月額3,500円以下かつ従業員が食事代の50%以上を負担する」という非課税要件があります。健康診断費用・スポーツジム補助・EAP費用についても各々に課税・非課税の条件があるため、導入前に顧問税理士・社会保険労務士への確認を強くお勧めします。
Q. テレワーク中心の職場でも実施できる健康経営施策はありますか?
A. テレワーク環境でも実施しやすい施策は多数あります。おすすめは①オンラインカウンセリング・EAP(24時間・匿名利用可)、②健康アプリの法人導入(歩数・睡眠・食事の管理)、③オンライン集団健診サービス(自宅近くの提携クリニックで受診)、④食事補助(電子食事補助サービス「チケットレストラン」など)、⑤オンラインヨガ・ストレッチ配信(月額1人500〜1,000円)です。テレワーク者は運動不足・孤独感・睡眠の乱れが生じやすいため、これらに特化した施策設計が効果的です。
Q. 健康経営優良法人の認定を取ると具体的にどんなメリットがありますか?
A. 主なメリットは以下の通りです。①採用競争力の向上:求人媒体でのロゴ掲載・「健康経営優良法人」の称号が、健康意識の高い求職者へのアピールになります。②金融優遇:日本政策投資銀行・一部の地方銀行では、認定企業向けに金利優遇融資を提供しています。③取引先からの評価向上:BtoBビジネスにおいて、認定取得がESG・SDGs対応の証明となり、入札や取引先選定で有利になるケースが増えています。④保険料の優遇:一部の健康保険組合では、認定取得企業に保険料率の優遇や保健事業の強化サポートを提供しています。⑤株価・投資家評価:上場企業では「健康経営銘柄」の選定基準になり、ESG投資家からの評価向上が期待できます。
Q. 福利厚生代行サービス(アウトソーシング)を使うメリット・デメリットは何ですか?
A. 福利厚生代行サービス(ベネフィット・ワン、リロクラブ、WELBOX、福利厚生倶楽部など)のメリットは、①幅広いサービスをまとめて提供できる(旅行・食事・スポーツ・育児など数千〜数万メニュー)、②1人あたり月額1,000〜2,000円程度の低コストで多様な施策を網羅できる、③管理工数を大幅に削減できる、という点です。一方デメリットは、①自社独自の健康施策との連携が取りにくい、②利用率が把握しにくいメニューがある、③健康経営の評価項目との対応マッピングを自社で行う必要がある、という点が挙げられます。健康経営を本格的に推進するなら、代行サービスをベースにしつつ、健康アプリ・EAP・健診補助など健康特化の施策を上乗せするハイブリッド型が最も効果的です。
Q. 産業医がいない中小企業でも健康経営に取り組めますか?
A. はい、取り組めます。産業医の選任義務は従業員50名以上の事業所ですが、50名未満でも健康経営優良法人(中小)の認定取得は可能です。産業医の代わりに、外部の「産業保健サービス」(スポットコンサル・月1回訪問型の産業医サービス:月3〜10万円)や、地域の「産業保健総合支援センター」(47都道府県に設置・無料相談可)を活用することで、専門家のサポートを受けながら健康経営を推進できます。また、健康保険組合や協会けんぽの「保健師派遣サービス」を利用することも有効な選択肢です。

まとめ:健康経営×福利厚生で選ばれる企業になる

本記事では、健康経営を支える福利厚生のおすすめ施策を、身体的健康・メンタルヘルス・ライフスタイル支援の3カテゴリに分けて詳しく解説しました。最後に、実践のためのポイントを整理します。

健康経営福利厚生 優先度別おすすめ施策まとめ
優先度 施策名 月額コスト目安(1人) 主な効果
★★★ 最優先 健診・人間ドック補助 2,500〜5,000円(年換算) 早期発見・認定必須要件
★★★ 最優先 EAP(メンタルヘルス) 300〜700円
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