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外国人採用

建設業で外国人材を採用・定着させる完全支援ガイド

📅 2026年06月05日⏱ 約9分✍ 編集部

建設業における人手不足は、もはや「将来の課題」ではありません。今この瞬間も、現場の担い手が足りずに受注を断らざるを得ない企業が後を絶たない状況です。「外国人材を採用したいけれど、何から始めればいいかわからない」「せっかく採用したのに数ヶ月で辞めてしまった」――そんな悩みを抱える経営者・人事担当者の方は非常に多いはずです。本記事では、建設業における外国人材の採用方法から、長く活躍してもらうための定着支援まで、具体的な数値・手順・実例を交えながら徹底解説します。

目次

  1. 建設業の人手不足と外国人材活用の現状
  2. 建設業で活用できる在留資格・制度の種類と比較
  3. 外国人材の採用ステップと具体的な手順
  4. 採用後の定着支援で押さえるべき実践ポイント
  5. 外国人材採用にかかるコスト・相場の実態
  6. 定着支援の成功事例と失敗事例から学ぶ教訓
  7. よくある質問(FAQ)

建設現場で外国人材と日本人管理者が握手する様子

建設業の人手不足と外国人材活用の現状

深刻化する建設業の担い手不足

国土交通省の調査によると、2023年時点で建設業就業者数は約482万人であり、ピーク時(1997年)の約685万人から30%以上も減少しています。さらに就業者の約35%が55歳以上というシニア層に偏った構造となっており、今後10年で大量の熟練技術者が引退する「2030年問題」が現実味を帯びています。一方で、インフラ老朽化対応・防災工事・脱炭素関連の公共投資は増加の一途をたどっており、需要と供給の乖離は拡大する一方です。

厚生労働省の「建設業の雇用状況」によれば、有効求人倍率は全産業平均の約2倍に当たる5〜6倍台を推移する時期もあり、「募集しても来ない」という状態が常態化しています。こうした状況を打開する有力な選択肢として、外国人材の活用が急速に注目を集めています。

建設業における外国人労働者の実態

厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」(2023年10月末現在)によると、建設業における外国人労働者数は約13万人に達しており、前年比で約12%増加しています。出身国別ではベトナムが最多(約35%)、次いでインドネシア・フィリピン・中国・ネパールと続きます。特に特定技能制度が2019年に創設されてからは、即戦力としての外国人材受け入れが加速しており、建設分野では2024年末時点で累計2万人超が特定技能1号で就労しています。

✅ 外国人材活用のメリット

⚠️ 外国人材活用の注意点

政府の政策動向と建設業への影響

2024年に閣議決定された「骨太の方針2024」では、特定技能制度の更なる拡充と育成就労制度(技能実習制度の抜本的見直し)の創設が盛り込まれました。育成就労制度は2027年を目途に施行予定であり、より本人の意思を尊重した転籍・キャリアアップの仕組みが整備されます。建設業においても「外国人材が長く働ける環境づくり」への行政的な後押しが強まっており、今から定着支援の体制を整えることが競合他社との差別化につながります。

建設業における外国人労働者数の推移
年度 外国人労働者数(建設業) 前年比増減 主要在留資格
2019年 約93,000人 +12.1% 技能実習が中心
2020年 約94,000人 +1.1% コロナ禍で停滞
2021年 約98,000人 +4.3% 特定技能が増加開始
2022年 約107,000人 +9.2% 特定技能・技人国が伸長
2023年 約130,000人 +12.0% 特定技能1号が急増

建設業で活用できる在留資格・制度の種類と比較

主要4制度の概要と違い

外国人材を建設業で合法的に雇用するには、在留資格(ビザ)の理解が欠かせません。建設業で主に活用される制度は「特定技能1号・2号」「育成就労(旧技能実習)」「技術・人文知識・国際業務(技人国)」「特定活動(EPA等)」の4つです。それぞれ対象業務・就労期間・家族帯同の可否・転職の可否が大きく異なります。自社の採用ニーズ(即戦力か育成か、長期定着か短期補完か)に合わせて選択することが重要です。

特定技能制度(1号・2号)の詳細

特定技能は即戦力外国人材を受け入れるための制度で、建設分野は「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3区分に分かれています。1号は最長5年の就労が可能で、2号取得後は在留期間の上限がなくなり、配偶者・子の帯同も認められます。ただし特定技能での建設業就労には、国土交通省への「特定技能受入計画」の認定申請と、一般財団法人建設業振興基金が運営する「建設キャリアアップシステム(CCUS)」への登録が必須です。

特定技能1号の試験合格または技能実習3号修了が在留資格取得の要件となりますが、近年はベトナム・フィリピン・インドネシアなどで現地試験の機会が増えており、即戦力の確保がしやすくなっています。

✅ 特定技能2号のメリット

育成就労制度(旧技能実習)の変更点

2027年施行予定の育成就労制度では、従来の技能実習から大きく3点が変わります。①制度目的が「人材育成・技能移転」から「人材確保・育成」へ転換、②原則3年の就労期間中、一定条件を満たせば同一分野内での転籍が可能になる、③特定技能1号への移行を前提とした計画的なキャリアパス設計が推奨されます。建設業で外国人材を長期的な戦力として育てたい企業にとっては、育成就労→特定技能1号→特定技能2号という「3ステップのキャリアラダー」が現実的な選択肢となります。

⚠️ 育成就労移行時の注意点

建設業で活用できる主要在留資格の比較
在留資格 最長在留期間 転職の可否 家族帯同 受入ルート
特定技能1号 5年(更新不可) 同一分野内で可 不可 直接・登録支援機関
特定技能2号 無制限(都度更新) 同一分野内で可 直接・登録支援機関
育成就労(新) 3年 条件付きで可 不可 監理支援機関経由
技術・人文知識・国際業務 5年(更新可) 同一業種なら可 直接
永住者・定住者 無制限 制限なし 直接

在留資格申請書類と建設図面が並ぶ机の様子

外国人材の採用ステップと具体的な手順

STEP1:自社の受入体制の整備と計画策定

採用活動を始める前に、まず社内の受入体制を整えることが最優先です。具体的には以下の5点を確認・準備します。

  1. 業務内容の整理:外国人材に従事させる具体的な作業を洗い出し、在留資格で許可される範囲内か確認する
  2. 住居の確保:社宅・寮・借上げアパートなど安全で衛生的な住環境を準備する(特定技能では支援義務)
  3. 日本語対応ツールの導入:多言語翻訳アプリ(DeepL・Google翻訳)や作業指示書の多言語化
  4. 社内指導員(メンター)の選定:外国人材の日常業務・生活相談を担当する担当者を事前に決める
  5. CCUSへの登録:特定技能の場合は必須。事業者IDと現場IDを取得しておく

STEP2:採用チャネルの選定と人材確保

建設業向けの外国人材採用チャネルは大きく4つに分類されます。①送り出し機関・監理団体経由(育成就労)、②特定技能登録支援機関・国内人材紹介会社、③海外現地採用(現地試験合格者の直接雇用)、④国内の転職希望特定技能外国人の直接スカウト――です。

中小建設業者にとって最もコストパフォーマンスが高いのは、国内で特定技能1号を取得済みの転職希望者を登録支援機関経由でマッチングする方法です。この場合、採用から就労開始までの期間が1〜3ヶ月程度と短く、すでに日本語・建設知識を持った即戦力を確保できます。一方でコストは人材紹介会社への紹介手数料(年収の15〜25%程度)が発生します。

STEP3:在留資格申請と受入計画の認定

特定技能で建設業に受け入れる場合、入国管理局への在留資格申請と並行して、国土交通省への「特定技能受入計画」の認定申請が必要です。認定までの標準処理期間は約1〜2ヶ月です。申請書類には①特定技能受入計画書、②雇用契約書、③建設特定技能受入事業実施法人(JAC等)への加入証明などが含まれます。行政書士に依頼する場合の代行費用は5〜15万円程度が相場です。

✅ JACへの加入による受入メリット

⚠️ 採用プロセスの落とし穴

STEP4:入国・入社時のオリエンテーション

入社直後のオリエンテーションは定着率に直結します。生活支援(銀行口座開設・携帯電話契約・住民票登録の同行支援)・安全教育(KY活動・ヒヤリハット・緊急連絡体制)・会社ルールの説明(母国語資料を活用)を初日〜1週間以内に実施します。特定技能の場合、「事前ガイダンス」と「入国後の生活支援」は登録支援機関または受入企業が義務として実施しなければなりません(生活支援計画書に記載)。

採用チャネル別のコスト・期間・特徴比較
採用チャネル 採用コスト目安 就労開始までの期間 主なメリット 主なデメリット
送り出し機関経由(育成就労) 50〜100万円/人 6〜12ヶ月 長期・計画的な人材育成が可能 コスト高・期間が長い
国内特定技能人材紹介 30〜60万円/人 1〜3ヶ月 即戦力・日本語力あり 競合が多く人材確保が難しい
海外現地直接採用 70〜120万円/人 3〜8ヶ月 自社ニーズに合わせた選考が可能 ビザ取得・渡航コストが高い
永住者・定住者の直接採用 10〜30万円/人 1ヶ月以内 就労制限なし・手続き最小限 母数が少なく競争率が高い

採用後の定着支援で押さえるべき実践ポイント

定着率を左右する「最初の3ヶ月」の重要性

外国人材の離職が最も多いのは入社後3ヶ月以内です。登録支援機関が公表するデータでは、定着支援を適切に行った企業の1年後定着率は約80%以上であるのに対し、支援体制が不十分な場合は50%を下回るケースも見られます。早期離職の主な理由は「孤独感・コミュニケーション不足(36%)」「労働条件が説明と異なる(28%)」「生活上の困りごとが解決されない(20%)」であり、制度・契約・生活の3領域への総合的なサポートが求められます。

コミュニケーション環境の整備

現場での安全確保と生産性向上のために、多言語コミュニケーションツールの整備は必須投資です。具体的な取り組み例を以下に示します。

日本語学習支援とキャリア開発

外国人材が長く活躍できるかどうかは、日本語力の向上とキャリアの見通しに大きく左右されます。効果的な日本語支援として、就業後に週1〜2回のオンライン日本語レッスン(費用補助)を提供している企業では、1年後のN3以上取得率が支援なしの企業に比べて約3倍高いという調査結果もあります。またCCUSのスキル評価と連動したキャリアラダー(技能レベル1→4)を明示することで、「この会社で頑張れば将来が見える」という動機づけになります。

✅ キャリアラダー設計のポイント

⚠️ 定着支援でよくある失敗パターン

生活支援・精神的サポートの実務

特定技能では受入企業(または登録支援機関)が10項目の「義務的支援」を実施する法的義務があります。義務的支援の主な内容は①事前ガイダンス、②出入国港の送迎、③住居確保・生活必需品の準備支援、④生活オリエンテーション(銀行・医療・交通等の案内)、⑤日本語習得支援、⑥外出同行支援(行政手続き)、⑦日本人との交流促進、⑧相談・苦情対応(母国語で対応)、⑨転職支援(非自発的離職時)、⑩定期的面談(3ヶ月に1回以上)です。これらを登録支援機関に委託する場合、月額2〜5万円/人程度の費用が発生しますが、社内リソースが限られる中小企業では積極的に活用すべきです。

多国籍の建設チームが図面を囲んで話し合う場面

外国人材採用にかかるコスト・相場の実態

初期費用・ランニングコストの全体像

外国人材の採用・定着にかかるコストは「初期費用」と「月次ランニングコスト」に大別されます。多くの企業が「想定より高かった」と感じる原因は、採用エージェント費用だけを見てランニングコストを計算に入れていないことです。特定技能1人を採用・定着させるための年間総コスト(初期費用込み)は150〜300万円程度と見積もっておくのが現実的です。

在留資格別のコスト比較

育成就労では送り出し機関への費用(現地側:30〜80万円)+監理団体費(月額2〜5万円)が発生し、特定技能では人材紹介手数料(30〜60万円)+登録支援機関費(月額2〜5万円)+JACへの賛助会員費(月額1.2万円〜)が主なコスト要素です。なお外国人材の採用に関しては、厚生労働省・経済産業省の補助金(IT導入補助金・キャリアアップ助成金等)を活用できるケースがあります。特に「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」は外国人材が対象になり、1人当たり最大57万円(大企業36万円)の助成を受けられます。

✅ 活用できる主な補助金・助成金

外国人材採用・定着の年間コスト試算(特定技能1号・1人当たり)
費用項目 金額目安 発生タイミング 備考
人材紹介手数料 30〜60万円 採用時(一括) 年収の15〜25%が相場
在留資格申請(行政書士) 5〜15万円 採用時(一括) 自社申請なら無料
JACへの賛助会員費 約14.4万円/年 月次(1.2万円〜) 建設特定技能の義務
登録支援機関委託費 24〜60万円/年 月次(2〜5万円) 自社対応なら不要
日本語教育支援 6〜18万円/年 月次(0.5〜1.5万円) 助成金対象になることも
住居確保・生活支援 12〜30万円/年 月次 社宅提供の場合は家賃補助分
合計(初年度) 150〜250万円 キャリアアップ助成金活用で圧縮可

コストを下げるための賢い工夫

外国人材採用のコストを適正化するための実践的なポイントをお伝えします。まず「国内転職市場の活用」が最もコスト効率の高い方法です。すでに特定技能1号を取得し国内にいる外国人材は、ビザ変更費用がかからず就労開始が最短1ヶ月以内に可能です。また複数社で監理団体・登録支援機関を共同利用する「受入組合の設立」も有効で、費用を1人当たり月1〜2万円程度まで圧縮できるケースがあります。さらに行政書士費用は自社の総務担当が書類作成を習得することで0円化でき、年間50万円以上の節約につながる場合があります。

⚠️ コスト削減で注意すべきこと

定着支援の成功事例と失敗事例から学ぶ教訓

成功事例①:ベトナム人材の段階的育成で定着率90%を達成した中堅ゼネコン

東海地方の従業員150名規模のゼネコンA社では、2020年から育成就労(当時技能実習)制度でベトナム人材の受入を開始しました。当初は3年で帰国という前提でしたが、特定技能1号への移行をサポートする体制を整え、現在では10名が特定技能1号・2名が特定技能2号を取得して在籍中です。定着率は採用から3年後で90%超を達成しています。

成功のポイントは3つです。①入社時から「5年後・10年後のキャリアパス図」を本人・家族に説明し、長期的な見通しを共有した。②バイリンガルリーダー(ベトナム語・日本語堪能な先輩社員)を現場ごとに1名配置し、日常的な相談窓口とした。③CCUSのレベルアップと連動した段階的昇給制度を導入し、資格取得のたびに月給5,000〜2万円を加算する仕組みを作った。これらにより「この会社で頑張れば将来が開ける」という実感を持たせることに成功しました。

成功事例②:宗教・文化配慮で採用競争力を高めた内装工事会社

関西地方の内装工事会社B社は、インドネシア人ムスリムを4名採用するにあたり、①ハラール対応の食事提供(弁当業者と交渉してハラール弁当を手配)、②現場事務所に礼拝スペース(コンパクトな個室)を設置、③ラマダン期間中の就業時間調整(早上がりを認める)という3つの配慮措置を実施しました。その結果、採用から2年間で離職者ゼロを達成。インドネシア人コミュニティ内での口コミが広まり、自然応募が増加して採用コストが大幅に削減できたという効果もありました。

失敗事例から学ぶ:よくある「3大失敗パターン」

失敗パターン1:最低賃金ギリギリの賃金設定
北関東の解体業者C社では、外国人材の初任給を最低賃金ぴったりに設定しました。半年後、同地域で採用競争している企業が時給100円高い条件を提示したところ、3名が一斉に転職。特定技能では同一分野内での転職が認められているため、賃金競争力が低い企業は常に転職リスクにさらされます。日本人新入社員と同等以上の待遇設計が定着のための最低条件です。

失敗パターン2:生活支援の完全外部委託と放置
中部地方のとび工事会社D社では、登録支援機関に支援を全委託し、担当者が「あとはよろしく」と関与をやめた結果、外国人材が「会社に大切にされていない」と感じ、メンタル不調で6ヶ月後に帰国しました。支援機関への委託は手続き面での効率化のためであり、人間関係・信頼関係の構築は会社が自ら行う必要があります。

失敗パターン3:不明確な役割・業務範囲
九州地方の塗装業E社では、「何でもやってもらえる」と考え、在留資格の範囲外の業務(清掃・荷物運び・社長の送迎など)を命じ、外国人材から不信感を持たれました。在留資格で認められた業務以外を行わせることは不法就労となるリスクがある上、「騙された」という感情が定着阻害の大きな要因になります。

✅ 定着支援の成功に共通する3原則

定着支援施策の効果比較(1年後定着率への影響)
定着支援施策 実施あり(定着率) 実施なし(定着率) 効果の大きさ
月1回以上の個別面談 85% 60% ★★★★★
日本語教育費用補助 82% 68% ★★★★
キャリアパス明示・昇給制度 88% 55% ★★★★★
文化・宗教への配慮措置 80% 65% ★★★★
バイリンガルメンターの配置 83% 62% ★★★★
社宅・住居の提供 78% 66% ★★★

日本人担当者とベトナム人建設労働者がキャリア資料を確認する面談場面

よくある質問(FAQ)

Q. 小規模の建設会社(従業員10名以下)でも外国人材を採用できますか?
A. はい、可能です。特定技能や育成就労(技能実習)に企業規模の下限はなく、従業員1名でも受け入れることができます。ただし特定技能の場合は義務的支援(10項目)を自社または登録支援機関が実施する必要があり、小規模企業では登録支援機関への委託が現実的です。また特定技能では「建設キャリアアップシステム(CCUS)」への登録と、JACへの加入が必須となります。登録支援機関費用(月額2〜5万円/人)を考慮した採算計画を事前に立てることをお勧めします。
Q. 特定技能と育成就労(技能実習)はどちらを選ぶべきですか?
A. 即戦力を早期に確保したい場合は「特定技能」、3〜5年かけて自社のやり方で育成したい場合は「育成就労」が適しています。特定技能は日本語・技能試験の合格者のみが対象のため、採用時点でスキル・日本語力が担保されています。一方、育成就労は未経験者から育成できる柔軟性がありますが、受入コストと期間がかかります。長期的な人材戦略としては「育成就労で育てた人材を特定技能1号→2号へ移行させる」パターンが最も安定した定着につながります。
Q. 外国人材を採用した際、日本人社員との間でトラブルが起きないか心配です。どう対処すればよいですか?
A. 日本人社員と外国人材の摩擦を防ぐには、採用前からの「社内啓発」が最も重要です。具体的には①外国人材を採用する理由と会社としての方針を全社員に説明する、②文化・宗教・生活習慣の違いについての研修(ダイバーシティ研修)を実施する、③日本人社員がメンター役を担う仕組みを作り、関与と責任感を持たせる、という3つのアプローチが有効です。また「外国人だから特別扱い」ではなく「会社のルールは全員同じ」というスタンスを徹底することで、不公平感を生まないことが大切です。
Q. 建設業で外国人材が就労できる具体的な作業(職種)はどこまで認められていますか?
A. 特定技能「建設分野」では「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3区分において、型枠施工・左官・コンクリート圧送・トンネル推進工・建設機械施工・土工・屋根ふき・電気通信・鉄筋施工・鉄筋継手・内装仕上げ・表装・とび・建築大工・配管・建築板金・保温保冷・吹付ウレタン断熱・海洋土木工など幅広い職種が認められています。ただし現場管理・設計・営業などのいわゆる「ホワイトカラー業務」は特定技能ではなく「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が必要になります。必ず従事させる業務と在留資格が一致しているか確認してください。
Q. 外国人材が突然辞めてしまうリスクを最小限にするにはどうすればよいですか?
A. 早期離職を防ぐための最も効果的な施策は「定期面談による早期サインの把握」と「キャリアアップの見える化」です。月1回の1on1面談(母国語対応)で不満・悩みを早期に拾い上げ、小さな問題が大きな離職意思になる前に対処することが重要です。また、「この会社に残るとどんな未来があるか」を具体的な昇給額・資格・役職で示すことで、転職より継続就業を選ぶ動機づけになります。加えて、帰国時に有給取得・航空費一部補助を認めるなど「家族のいる母国とつながり続けられる」環境作りも長期定着に大きく貢献します。
Q. 外国人材の採用活動を始めるにあたり、最初に何をすればよいですか?
A. 最初の一歩は「自社がどの在留資格でどのような人材を受け入れたいか」の方針決定です。その上で①建設キャリアアップシステム(CCUS)の事業者登録、②JACへの賛助会員加入(特定技能の場合)、③登録支援機関の比較選定または自社支援体制の構築、④雇用契約書・就業規則の外国人対応版の整備を並行して進めてください。初めての場合は、実績のある登録支援機関や行政書士に相談しながら進めることで、手続きミス・法令違反のリスクを大幅に下げることができます。国土交通省・厚生労働省の相談窓口(無料)も積極的に活用しましょう。

まとめ:外国人材の採用・定着支援を「戦略投資」として捉える

本記事では、建設業における外国人材の採用から定着支援まで、在留資格の選び方・採用ステップ・コスト相場・成功事例・失敗事例・よくある質問にわたり徹底的に解説しました。最後に、最も重要なポイントを整理します。

建設業の未来を支えるのは、国籍を問わず「この会社で働き続けたい」と感じてくれる人材です。外国人材の採用・定着支援に今から本腰を入れた企業が、10年後の建設業界で圧倒的な競争優位を持つことになるでしょう。まず一歩、CCUSへの登録とJACへの問い合わせから始めてみてください。

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