「親が亡くなったけど、相続手続きって何から始めればいいの?」「行政書士に頼んだらいくらかかるの?」そんな不安を抱えていませんか?相続手続きは書類の種類が多く、期限もあるため、専門家へ依頼する方が増えています。この記事では、行政書士への依頼費用の相場から手続きの流れ、費用を抑えるコツまで、具体的な数値とともに徹底解説します。

相続手続きは、被相続人(亡くなった方)の財産を正しく引き継ぐために必要な一連の法律行為です。不動産・預貯金・株式・車など財産の種類によって手続き先や書類が異なり、自分だけで対応するのは非常に手間がかかります。行政書士に依頼することで得られるメリットと、知っておくべきデメリットを整理しましょう。
行政書士は官公署への書類作成・提出の国家資格者です。相続分野では特に遺産分割協議書の作成・相続関係説明図の作成・各種役所への届け出代行を得意としています。弁護士や司法書士と比べて報酬設定が柔軟で、比較的リーズナブルな費用で依頼できることが多い点も魅力です。また、相続専門の行政書士事務所では、税理士・司法書士とのネットワークを持っていることが多く、ワンストップで相続全般の手続きサポートを受けられるケースがあります。
✅ メリットポイント:行政書士は書類作成のプロです。戸籍謄本の収集から遺産分割協議書の作成まで一括依頼することで、相続人の手間を大幅に削減できます。相続専門の事務所では、平均して40〜60時間分の作業を代行してもらえると言われています。
⚠️ 注意点:行政書士は不動産の登記申請(相続登記)や預貯金の名義変更手続きの「代理」は行えません。不動産相続登記は司法書士、相続税申告は税理士の業務です。行政書士の業務範囲を理解したうえで依頼しましょう。
行政書士への相続依頼が特に向いているのは、以下のようなケースです。相続人間で争いがなく、財産が比較的シンプルな場合、行政書士への依頼が最もコストパフォーマンスに優れた選択肢になります。
一方、行政書士への依頼が適さないケースもあります。相続人間で意見が対立している場合、法的な交渉や調停が必要になるため、弁護士への依頼が必要です。また、不動産を多く保有している場合は司法書士との連携が必須になります。
行政書士が相続手続きで担当できる業務は多岐にわたります。「行政書士は書類を作るだけ」というイメージを持っている方も多いですが、実際には相続に関する幅広い書類作成・収集・申請の代行業務を行っています。具体的にどのような業務を依頼できるかを確認しましょう。

| 業務内容 | 概要 | 備考 |
|---|---|---|
| 戸籍謄本等の収集 | 相続関係を証明するための戸籍・除籍・原戸籍の収集 | 複数の市区町村にまたがる場合も対応 |
| 相続関係説明図の作成 | 相続人全員の関係性を図式化した書類 | 金融機関・法務局に提出 |
| 遺産分割協議書の作成 | 相続人全員の合意内容を記載した協議書 | 最も需要が高い業務 |
| 財産目録の作成 | 被相続人の全財産をリスト化した書類 | 預貯金・不動産・株式等を網羅 |
| 自筆証書遺言の確認サポート | 遺言書の内容確認・整理のサポート | 検認手続きは家庭裁判所で別途必要 |
| 各種届出書類の作成 | 年金・健康保険等の各種届出書類の作成 | 提出代行も可能 |
| 預貯金解約・名義変更のサポート | 金融機関への提出書類の準備サポート | 代理提出は金融機関によって異なる |
| 相続放棄に関する書類作成サポート | 相続放棄申述書等の作成サポート | 家庭裁判所への申述書提出は本人が行う |
✅ ポイント:戸籍収集は被相続人の出生から死亡まで遡る必要があり、市区町村が複数にわたる場合は10通以上の戸籍類を集めなければならないこともあります。行政書士に委任状を渡すだけでこの作業が完結するのは大きなメリットです。
⚠️ 注意点:行政書士は、相続登記(不動産の名義変更)を「代理」で行う権限がありません。不動産の名義変更は司法書士の独占業務です。行政書士が不動産登記まで「全部やります」と言っている場合は注意が必要です。
相続手続きには、自分でも対応できるものと、専門家に任せた方が確実なものがあります。以下の表を参考に、どこまで自分で行うかを検討してください。
| 手続き内容 | 自分で対応 | 専門家推奨 | 担当専門家 |
|---|---|---|---|
| 死亡届の提出 | ✅ 可能 | 親族・葬儀社 | |
| 戸籍収集(数通程度) | ✅ 可能 | ||
| 戸籍収集(複数市区町村) | △ 時間がかかる | ✅ 推奨 | 行政書士 |
| 遺産分割協議書の作成 | △ 書式ミスのリスク | ✅ 強く推奨 | 行政書士 |
| 相続登記(不動産名義変更) | △ 難易度高 | ✅ 強く推奨 | 司法書士 |
| 相続税申告 | ❌ 困難 | ✅ 必須 | 税理士 |
| 遺産分割調停・訴訟 | ❌ 不可 | ✅ 必須 | 弁護士 |
行政書士への依頼で最も多いのが「遺産分割協議書の作成」です。遺産分割協議書は、相続人全員が署名・捺印(実印)する法的効力を持つ書類で、一度作成すると後から変更するのが難しいため、内容の正確さが非常に重要です。記載漏れや不明確な表現があると、金融機関や法務局で受け付けてもらえないこともあります。行政書士に依頼することで、こうしたリスクを大幅に下げることができます。
行政書士への依頼費用は、旧報酬規定が廃止された現在、各事務所が自由に設定できます。そのため事務所によって費用に差があるのが実情ですが、相場を把握することで適正価格かどうかを判断できます。ここでは2024年現在の一般的な相場を業務別・相続財産額別に詳しく解説します。
| 業務内容 | 費用相場 | 備考 |
|---|---|---|
| 戸籍収集(全部) | 3万〜8万円 | 実費(戸籍謄本代等)別途 |
| 相続関係説明図の作成 | 1万〜3万円 | 戸籍収集とセットが多い |
| 遺産分割協議書の作成 | 3万〜10万円 | 財産の複雑さで変動 |
| 財産目録の作成 | 2万〜5万円 | 財産の種類・数による |
| 相続手続き一式(基本パック) | 10万〜30万円 | 戸籍収集・協議書作成含む |
| 相続手続き一式(複雑案件) | 30万〜60万円以上 | 相続人多数・財産多数の場合 |
| 遺言書の作成サポート | 5万〜15万円 | 公正証書遺言は公証人費用別途 |
| 相続放棄書類作成サポート | 2万〜5万円/人 | 家庭裁判所への申述は本人 |
多くの行政書士事務所では、相続財産の総額(遺産総額)に応じて報酬を設定しています。これは弁護士の旧報酬規定(経済的利益の一定割合)に準じた考え方を採用しているためです。
| 遺産総額の目安 | 行政書士費用(目安) | 主な手続き内容 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 〜1,000万円 | 10万〜20万円 | 戸籍収集・協議書・金融機関手続き | 比較的シンプルな案件 |
| 1,000万〜3,000万円 | 20万〜35万円 | 上記+財産目録・複数金融機関対応 | 一般的な相続案件 |
| 3,000万〜5,000万円 | 35万〜50万円 | 上記+複数相続人・相続税確認 | 税理士連携が必要なケースも |
| 5,000万〜1億円 | 50万〜80万円 | 上記+不動産多数・株式等の対応 | 司法書士・税理士との連携が多い |
| 1億円以上 | 80万円以上(要見積) | 複雑な財産構成・複数専門家連携 | 個別見積もりが必須 |
✅ 費用の目安:一般的な相続(遺産総額2,000〜3,000万円・相続人3人程度・不動産1件・預金口座2〜3行)の場合、行政書士への依頼費用の相場は25万〜40万円程度が一般的です。見積もりは複数事務所から取ることをおすすめします。
⚠️ 注意点:「安すぎる」事務所には注意が必要です。戸籍収集の実費(1通450〜750円)や郵送費などの実費は別途かかります。最初の見積もりに実費が含まれているかどうかを必ず確認しましょう。後から追加請求されるケースもあります。
行政書士への費用は「報酬(手数料)」と「実費」の2つに分かれます。実費とは行政書士が依頼者に代わって支払う費用で、以下のようなものが含まれます。実費は別途請求されるのが一般的です。
相続手続きを専門家に依頼する際、「行政書士・司法書士・弁護士・税理士のどれに頼めばいいの?」と迷う方が非常に多いです。結論から言うと、それぞれ担当できる業務が異なるため、ケースに応じた使い分けが重要です。ここでは費用相場と業務範囲を比較します。

| 比較項目 | 行政書士 | 司法書士 | 弁護士 |
|---|---|---|---|
| 相続手続き一式の費用相場 | 10万〜30万円 | 15万〜40万円 | 30万〜100万円以上 |
| 遺産分割協議書の作成 | ✅ 対応可 | ✅ 対応可 | ✅ 対応可 |
| 戸籍収集・相続関係説明図 | ✅ 対応可 | ✅ 対応可 | ✅ 対応可(費用高め) |
| 不動産の相続登記 | ❌ 不可 | ✅ 対応可(独占業務) | ✅ 対応可 |
| 相続人間の交渉・代理 | ❌ 不可 | ❌ 不可 | ✅ 対応可(独占業務) |
| 遺産分割調停・訴訟代理 | ❌ 不可 | ❌ 不可 | ✅ 対応可(独占業務) |
| 相続税申告 | ❌ 不可 | ❌ 不可 | ❌ 不可(税理士業務) |
| 費用の安さ | ◎ 最も安い傾向 | ○ 中程度 | △ 高め |
どの専門家に依頼するかは、相続の内容・財産の種類・相続人間の関係によって異なります。以下のケース別ガイドを参考にしてください。
✅ おすすめ:相続専門の行政書士事務所の多くは、司法書士・税理士とのネットワークを持っており、ワンストップで相続手続き全般を依頼できる体制を整えています。窓口を一本化することで、複数の専門家と個別にやり取りする手間を省けます。
⚠️ 注意点:「相続手続き全部おまかせ」と広告している行政書士事務所でも、不動産登記は提携司法書士、相続税申告は提携税理士が担当するケースがほとんどです。その場合、各専門家への費用が別途発生することを忘れずに確認してください。
不動産を相続する場合、2024年4月より相続登記が義務化されました(3年以内に登記が必要・違反した場合は10万円以下の過料)。司法書士への相続登記費用の相場は以下の通りです。
相続手続きには期限のある手続きと、期限のない手続きがあります。期限を過ぎると大きなペナルティが生じるものもあるため、全体のスケジュールを把握することが重要です。行政書士に依頼した場合の一般的な流れをご紹介します。
| 期限 | 手続き内容 | 担当 | ペナルティ |
|---|---|---|---|
| 7日以内 | 死亡届の提出・死体火葬許可申請 | 親族・葬儀社 | 5万円以下の過料 |
| 14日以内 | 健康保険証・年金受給停止の届け出 | 親族(代行可) | 未手続きで過払いが発生 |
| 3ヶ月以内 | 相続放棄・限定承認の申述 | 本人(家庭裁判所) | 単純承認とみなされる |
| 4ヶ月以内 | 被相続人の所得税準確定申告 | 税理士・本人 | 延滞税・加算税が発生 |
| 10ヶ月以内 | 相続税の申告・納付 | 税理士 | 延滞税・無申告加算税 |
| 1年以内 | 遺留分侵害額請求 | 弁護士(交渉あり) | 請求権の消滅 |
| 3年以内 | 相続登記(不動産の名義変更) | 司法書士 | 10万円以下の過料 |
| 期限なし | 預貯金・株式・車の名義変更 | 行政書士サポート | なし(ただし早めが推奨) |
✅ 重要ポイント:相続放棄の申述期限は「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」です。行政書士に相談すれば、この期限内に必要な財産調査や書類準備のサポートを受けられます。早めの相談が安心です。
⚠️ 注意点:相続税の申告期限(10ヶ月以内)を過ぎると、無申告加算税(15〜20%)や延滞税が課せられます。基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超える場合は早急に税理士へ相談してください。
行政書士に依頼してから手続き完了までの一般的な流れは以下の通りです。標準的な案件(遺産分割協議書・戸籍収集・金融機関手続き)の場合、依頼から完了まで2〜4ヶ月程度かかるのが一般的です。
相続の規模・複雑さによって費用と期間は大きく異なります。自分のケースに近いパターンを確認してみてください。
行政書士への依頼費用を少しでも抑えるためには、いくつかのコツがあります。ただし、費用を抑えることだけを優先して依頼先を選ぶと、後から問題が生じる可能性もあります。費用と品質のバランスを見極めることが重要です。

行政書士費用を適正に抑えるための方法を解説します。適切な準備と情報収集が費用削減の鍵です。
✅ 節約のコツ:行政書士費用は交渉できる余地があります。特に複数の業務をまとめて依頼する場合、「全部まとめてお願いしたらいくらになりますか?」と聞いてみましょう。まとめ依頼の場合に割引してもらえる事務所も少なくありません。
⚠️ 注意点:「格安・相続手続き〇万円〜」という広告に注意しましょう。最低額だけを表示している場合が多く、実際には追加費用が発生して最終的な費用が相場より高くなることがあります。必ず総額での見積もりを書面でもらいましょう。
費用と並んで重要なのが、信頼できる行政書士の選び方です。以下のポイントをチェックしてください。
「費用がかかるなら自分でやろう」と考える方もいますが、自分で手続きを行う場合のリスクも考慮する必要があります。遺産分割協議書の書き方を間違えると金融機関に受理されず、また相続人全員の再署名・捺印が必要になることも。時間的コストも含めて、専門家への依頼は十分にコスパが良い選択です。
相続手続きと行政書士費用に関して、よくいただくご質問をまとめました。疑問を解消してから専門家へのご相談をご検討ください。
相続手続きは複雑で、精神的な負担も大きい時期に進めなければならない手続きです。しかし、行政書士という専門家の力を借りることで、手続きの煩雑さを大幅に軽減できます。費用の相場を把握したうえで、複数の事務所に無料相談して、信頼できる専門家を見つけてください。早めの行動が、時間的・精神的・費用的なコストをすべて最小化することにつながります。
まずは初回無料相談を活用して、あなたのケースでの費用感と手続きの流れを専門家に確認してみましょう。