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まるなげ ブログ 【法人必見】ゆうメールで信書が送れない時の合法的な3つの抜け道
【法人必見】ゆうメールで信書が送れない時の合法的な3つの抜け道

【法人必見】ゆうメールで信書が送れない時の合法的な3つの抜け道

「このDMは信書に該当するので、ゆうメールで送れません」

郵便局でこのような指摘を受けて、困った経験はありませんか?実は、DMや案内状などの郵送コストを抑えたい法人の多くが、同じ悩みを抱えています。ゆうメールで信書を送付することはできませんが、実はこの問題を解決する合法的な方法が存在するのです。

特に、2024年1月のクロネコDM便廃止以降、多くの企業がゆうメールへの切り替えを進めています。しかし、発送前の審査が厳しいため発送直前で発送できない事実を知るケースが多いという現実があります。普通郵便に比べて大幅にコストを削減できるゆうメールを活用できないのは、企業にとって大きな損失です。

そこで本記事では、信書判定で困っている法人向けに、ゆうメールで合法的に発送するための3つの実践的な対処法を解説します。これらの方法を活用することで、郵送コストの大幅削減が可能になります。

そもそも「信書」とは?なぜゆうメールで送れないのか

まず、なぜ信書がゆうメールで送れないのか、その理由を理解することが重要です。

信書の定義を理解する

信書とは、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と郵便法及び信書便法で定義されています。簡単に言えば、「特定の人だけに見てほしい」「送った相手から返事が欲しい」という内容が信書に該当します。

具体的には、以下のようなものが信書となります。

  • 請求書、納品書、領収書
  • 契約書、見積書、注文書
  • 許可証、認定書、証明書類
  • 特定の受取人を明記したDM

なぜゆうメールで信書が送れないのか

ゆうメールは「不特定多数に向けた広告物」を送ることを目的としているサービスなので、特定の方に対して宛てた文言・文章が入っていると「信書」に該当してしまい、発送ができなくなってしまいます。

また、郵便事業について定められた「郵便法」という法律の中で、信書の送達については一定の制限が設けられており、たとえ郵便局であっても信書を送ることができるサービスは以下の4種類のみに限定されています。

  • 定形郵便
  • 定形外郵便
  • レターパック
  • スマートレター

つまり、ゆうメールは、(信書以外の)書籍や商品カタログなどの送付を目的としたサービスであって、ゆうメールで信書を送ることは処罰の対象になりえるのです。

DMが「信書」と判定される典型的なパターン

では、実際にどのような表現が信書と判定されるのでしょうか。ここでは、郵便局の審査で実際に指摘されるパターンを詳しく解説します。

1. 受取人を限定する表現

1番ありがちなのが、送付状やDMに受取人が限定された表記が入っているケースです。以下のような表現は信書と判定される可能性が高くなります。

  • 「〇〇会員の皆様」
  • 「経営者の皆様」
  • 「〇〇大学卒業生の皆様」
  • 「〇〇サービスご利用者様」

「○○をご利用の皆様」「○○をご支援いただいている皆様」「ご契約の皆様」「○○大学をご卒業の皆様」など受け取り人を特定するような文言は信書に該当してしまい、ゆうメールでの発送ができなくなります。

2. 利用・購入関係を示す表現

商品の購入・利用などの関係がある文言が記載されている=特定の受取人に対しての意思を表示または事実を通知する文章とみなされ、信書だと判断されてしまいます。

具体的には以下のような表現が該当します。

  • 「いつも〇〇をご利用いただきありがとうございます」
  • 「現在〇〇をご利用いただいているお客様に限り」
  • 「先日は〇〇をご購入いただきありがとうございます」

3. 送付状が「書状」になっている場合

封書DMの際、送付状を入れるケースが多いと思いますが、その送付状が「書状」になっているケースがあります。書状とは、「送り主の考えや用件などの意思を表示、または事実を通知する文書」のことです。

例えば、送付状の中でカタログの紹介だけでなく、それ以外の事実の通知(会社移転のお知らせ、新サービスの案内など)が含まれていると、添え状の範囲を超えていると判断されます。

合法的な3つの抜け道:実践的な対処法

それでは、信書判定を回避してゆうメールで発送するための3つの実践的な方法を詳しく解説します。

抜け道1:「非信書化」による表現の工夫

最も基本的で効果的な方法は、文書の表現を工夫して信書に該当しないようにすることです。これを「非信書化」と呼びます。

【実践例1:宛先の変更】

  • ✕「〇〇会員の皆様」→ ○「各位」
  • ✕「経営者の皆様」→ ○「各位」
  • ✕「〇〇サービスご利用者様」→ ○「お客様各位」

「各位」とは「みなさま」という意味になり、特定の誰かに送るというニュアンスではないため、信書ではないと認められるケースが多くなっています。

【実践例2:利用関係の表現変更】

  • ✕「いつも〇〇をご利用いただきありがとうございます」
    → ○「日頃よりご愛顧いただきありがとうございます」
  • ✕「〇〇商品をご購入の皆様へ」
    → ○「皆様へ」(前文を削除)

「日ごろ御利用いただきありがとうございます」など、一般的な言葉に変更しましょう。この文言は実際の利用の有無にかかわらず商取引上の慣用語として使用されているので、購入・利用関係が必ずしもあるとは言い切れず、信書ではないと認められるケースがあります。

【実践例3:内容の調整】

実際に郵便局で指摘された事例と対処法を見てみましょう。

  • ✕「当サイトへの求人掲載をお申込みいただいた事業者様が対象の...」
    → ○ 文章自体を削除
  • ✕「弊社の〇〇〇〇をご愛顧いただき...」
    → ○「弊社をご愛顧いただき」(商品名を削除)

抜け道2:「添え状」として送付する方法

2つ目の方法は、信書を「添え状」として送付する方法です。郵便法第4条第3項但書において、信書であっても、貨物に添付する無封の添え状又は送り状については、運送営業者による送達が認められています。

【添え状として認められる条件】

  1. 主従関係の明確化
    まず主体となる送付物(信書には該当しない文書)があり、それに従として添えられる「添え状・送り状」であれば信書であってもゆうメールの利用が可能となります。
  2. 無封であること
    「無封」とは、封筒等に納めていない状態、または封筒等に納めても納入口を閉じていない状態のことです。
  3. 内容の限定
    「添え状」とは、送付される貨物の目録や性質、使用方法等を説明する文書及び当該貨物の送付と密接に関連した次に掲げる簡単な通信文で当該貨物に従として添えられるもののことです。

【実践的な活用例】

例えば、商品カタログ(主体)に、以下のような添え状を無封で同封する場合:

  • 「本カタログの商品についてのお問い合わせは...」
  • 「カタログ記載の商品のご注文方法は...」
  • 「同封のカタログは〇月〇日まで有効です」

これらは添え状として認められる可能性が高くなります。ただし、カタログと無関係な内容(会社移転のお知らせ、他のキャンペーン情報など)を含めると、添え状の範囲を超えてしまうため注意が必要です。

抜け道3:専門業者による「添え状への作り替え」サービス

3つ目の方法は、最も確実性の高い方法です。信書判定の専門知識を持つ業者に依頼することで、適法な形での発送が可能になります。

【専門業者のサービス内容】

  • 既存のDMや案内状の内容分析
  • 信書に該当しない表現への修正提案
  • 添え状形式への変更アドバイス
  • 郵便局での事前審査代行

特に、日本郵便と直接契約している業者であれば、印刷前に必ず郵便局で内容確認を受けており、審査も大変スピーディに行われています。

【専門業者を利用するメリット】

  1. 確実性:専門知識に基づいた判断で、発送停止のリスクを回避
  2. 時間短縮:審査のやり取りを代行してもらえる
  3. コスト削減:普通郵便との差額を確実に削減
  4. ノウハウの蓄積:過去の事例に基づいた的確なアドバイス

実際の郵便局審査で指摘された事例と対処法

ここでは、実際に郵便局の審査で信書と判定された事例と、その対処法を紹介します。これらの事例を参考に、自社のDMを見直してみてください。

宛先名での指摘事例

指摘された表現 修正後
〇〇クラブ会員各位 各位
〇〇機器導入サロン様限定 お客様各位
防災ご担当者様へ ご担当者様
介護施設経営者限定 介護施設経営者向け

本文中の表現での指摘事例

指摘された表現 修正後
〇〇の定期コースをご利用中の皆様へ 皆様へ(前文を削除)
貴店でご注文いただいた〇〇の在庫につきまして 文章自体を削除
〇〇様には例年のお願いとなり大変恐縮ですが 日頃からご愛顧頂いている中大変恐縮ですが

郵便局からの指摘に対してはそれを素直に受け入れ、文言を修正・削除するなどしてゆうメールの規定に沿った形で発送することをお勧めしています。

よくある質問と注意点

信書判定についてよくある質問にお答えします。

Q1. 「東京都にお住まいの方へ」という表現は信書になりますか?

一般的に、地域を限定した表現でも、対象範囲が広い場合は信書にならないケースが多いです。実際の事例では、「東京都にお住まいのお客様限定!!」という表現について、「東京都」だと対象範囲が広いので問題なしという判断がされています。

ただし、「〇〇マンションにお住まいの皆様へ」のように、特定の建物や狭い地域に限定すると信書と判定される可能性が高くなります。

Q2. 一度OKが出た内容でも、次回は信書と判定されることはありますか?

残念ながら、あります。ここ数年でゆうメールの信書確認の審査が厳格になってきており、また、審査する郵便局担当者の見解によって承認内容にブレが生じていることもあるようで、数カ月前はゆうメールで発送できたDM(ダイレクトメール)が、"同じ内容なのに審査がおりなかった。"などのトラブルが生じているという報告があります。

そのため、定期的に発送する内容でも、都度確認を取ることをおすすめします。

Q3. 自分で判断が難しい場合はどうすればいいですか?

信書は、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と規定されていますが、この文言だけで明確に分類できるものでもありません。判断に迷う場合は、以下の方法で確認することをおすすめします。

  1. 郵便局への事前確認:実際の印刷物を持参して確認
  2. 総務省への問い合わせ総務省の信書事業のページで詳細を確認
  3. 専門業者への相談:日本郵便と直接契約している発送代行業者に相談

まとめ:コスト削減と法令遵守を両立させる

ゆうメールで信書が送れない問題は、多くの法人が直面する課題です。しかし、本記事で紹介した3つの方法を活用することで、合法的にコストを削減することが可能です。

【3つの方法のまとめ】

  1. 非信書化:表現を工夫して信書に該当しないようにする
  2. 添え状形式:主体となる送付物に無封で添える
  3. 専門業者の活用:確実性を重視する場合の最適解

特に重要なのは、万一、差出当日になって信書だと判断されれば、印刷も含めてすべて無駄になってしまいますので、早めに内容物の事前審査を受けておくことです。

郵送コストの削減は、企業の利益に直結する重要な課題です。信書判定のルールを正しく理解し、適切な対処法を選択することで、大幅なコスト削減を実現できます。自社での対応が難しい場合は、専門的な知識とノウハウを持つ業者への相談も検討してみてください。

詳しい資料は以下よりご確認いただけます。